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氷の間の真上の部屋はトナカイの間。


つまり、弘子の部屋だった。


あたしと弥生はトナカイの間の前で立ち止まり、困りはててしまった。


できれば中に入って確認させてもらいたいが、そうなるとあたしたちは弘子を疑っていることになる。


「絶対に無理だよ、弘子には」


「なんでそう言い切れるの?」


「だって……」


年齢も近いし、ここにきてすぐ仲良くなれたし。


なんて、意味のないことばかりが頭に浮かんでくる。


「雨どいを上がって逃げたとすれば、他の誰よりも弘子が一番適任だよね」


そう言われてグッと返事に困ってしまった。


確かに、あの雨どいを使ったのだとすれば小柄な女性が一番犯人っぽい。


それはつまりあたしと弥生も怪しいということだけど。


どうしようかと考えていたとき、ふと思いついたことがあった。


「そうだ! やっぱり弘子には無理だよ!」


「どうしたの急に?」


弥生は驚いて目を丸くしている。