死体のある部屋に頻繁に出入りするのはよくない。


そんなことはわかっている。


雪が落ち着いたら警察だって来るだろうし、それまでなるべく触れない方がいい。


だから、無駄なことはしないつもりだった。


雪の間を出ていこうとした時、後ろから弥生がついてきた。


「それならあたしも行く」


弥生は青白い顔をしているが、そう言ってあたしの手を握り締めてきた。


「どうして? 弥生は休んでていいよ?」


「ううん。あたしもなんだか引っかかることがあるから」


結局あたしたちは2人で部屋を出ることになったのだった。