そこはあたしたちが泊まっている部屋となにも違いはなかった。


丸いテーブルに2脚の椅子。


ダブルベッドにテレビ。


しかし、劇的に違う部分が1つだけあったのだ。


「え、いや……っ!」


最初に声を上げて部屋から逃げ出そうとしたのは弘子だった。


それにつられて目の前の現状が理解できて、しりもちをつく。


弥生は呆然と立ち尽くし、そして松野さんはスッと青ざめていく。


「なんで……」


小沼さんもさっきまでの威勢は消えうせて、声が震えている。


そして肝心の久遠さんは……ベッドの横で首吊って、揺れていた……。