あたしと弥生は隣の部屋で人が死んでいると知らずに眠っていたことになるのだ。


あたしは自分の体を両手で抱きしめた。


やがてドアには隙間ができ、小沼さんがそこから腕を入れて鍵を開けた。


「久遠さん、入りますよ！？」


大きな声をかけて小沼さんがドアを開けて入る。


続いて松野さんが入り、弘子が入ったのを見てあたしと弥生も久遠さんの部屋に足を踏みれた。


その瞬間、ムワッとした異臭がして顔をしかめる。


まるで掃除していないトイレのような匂いだ。


「なんだこの臭いは」


小沼さんが呟き、電気を付けた。


明るくなった部屋に一瞬目がきかなくなる。


部屋の中は廊下よりも寒く、暖房が付けられていないことがすぐにわかった。


そしてベッドへ視線を向けた瞬間、あたしたちは全員氷りついていた。