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あたしと弥生は同じ橘高校の2年生で、冬休みを利用してスキーをしにここまで来た。


電車で2時間ほどの場所にある山の中の町。


今年は例年よりも積雪が多く、スキーをするにはもってこいだとテレビ番組で言っていた。


タクシーに揺られること1時間。


あたしたちは山の奥にあるペンションに到着していた。


運転手さんはお金を受け取りながら「雪はまだまだ降るらしいから、気をつけなよ」と忠告してくれた。


「ありがとうございます」


簡単に頭を下げ、2人でタクシーを下りる。


駅からペンションまでのタクシー代は正直痛いけれど、この日のために2人で頑張ってアルバイトをしたのだ。


西洋風の建物の前で立ち止まり、それを見上げる。


こげ茶色の外壁はログハウスを思わせ、入口までのアプローチは可愛らしくカーブしている。


今日から3日間、あたしたちはここに泊まってスキーを存分に楽しむんだ。


「ここかぁ……」


寒さも忘れたように弥生が目を輝かせて呟く。


なにせ友達と2人でペンションに泊まるなんて、あたしも初めての経験だ。


外観は申し分なく可愛いし、自然と気分は盛り上がってくる。


「行こう、弥生!」


あたしは弥生の手を握り締めてペンションの入口へと歩いた。


雪は更に大粒になり、地面に降り注ぎ始めていた……。