無人駅を下りると空から白銀の雪が舞い降りていた。
ヒヤリと頬を刺す風に思わず首をすぼめ、手に持っていた緑色のマフラーを首に巻く。
はーっとわざと口から息を吐き出してみると白いモヤになって消えていった。
「さすがに吐いた息が凍りついたりはしないか」
「はぁ?」
あたしの呟きに、友人の広畑弥生(ヒロハタ ヤヨイ)は怪訝そうな顔を浮かべた。
「こっちだよ紗也香(サヤカ)」
弥生はあたしの右手を握り締めて大股で歩き出した。
寒いから、とにかく早く暖かいところへ行きたいのだろう。
小さな駅を出るとタイミングよく一台のタクシーがやってきたところだった。
他には誰もいない。
駅を出て右手に電話ボックスがあり、タクシー会社の番号が書かれているのを見て目を見張る。
電話ボックスなんて久しぶりに見た。
スマホを確認してみる電波はちゃんと存在していて、ひとまず胸をなでおろす。
「なにしてんの? 早くタクシーに乗ろうよ」
弥生は寒さの限界のようで、歯を鳴らしてその場で足踏みを繰り返している。
「あ、ごめんごめん」
あたしはスマホをポケットにしまうと、早足でタクシーへと向かったのだった。
ヒヤリと頬を刺す風に思わず首をすぼめ、手に持っていた緑色のマフラーを首に巻く。
はーっとわざと口から息を吐き出してみると白いモヤになって消えていった。
「さすがに吐いた息が凍りついたりはしないか」
「はぁ?」
あたしの呟きに、友人の広畑弥生(ヒロハタ ヤヨイ)は怪訝そうな顔を浮かべた。
「こっちだよ紗也香(サヤカ)」
弥生はあたしの右手を握り締めて大股で歩き出した。
寒いから、とにかく早く暖かいところへ行きたいのだろう。
小さな駅を出るとタイミングよく一台のタクシーがやってきたところだった。
他には誰もいない。
駅を出て右手に電話ボックスがあり、タクシー会社の番号が書かれているのを見て目を見張る。
電話ボックスなんて久しぶりに見た。
スマホを確認してみる電波はちゃんと存在していて、ひとまず胸をなでおろす。
「なにしてんの? 早くタクシーに乗ろうよ」
弥生は寒さの限界のようで、歯を鳴らしてその場で足踏みを繰り返している。
「あ、ごめんごめん」
あたしはスマホをポケットにしまうと、早足でタクシーへと向かったのだった。