私は、目をキラキラさせながら思わず頭を撫でてみる。
すると、しっぽをフリフリさせながら気持ち良さそうに目を細めてきた。

「可愛い~」

 私は、思わず抱き締めてしまった。
人型は、怖く感じるのに猫だと怖く感じないのが不思議だ。むしろ可愛く思えてくる。
 これが獣族の特徴なら逆に手強いだろう。

「お前……怖がってなかったか?」

「だって小さくて可愛いんだもん」

 煌君は、呆れながら言われるが動物が好きな私は、つい手を伸ばしてしまった。
 リズは、しっぽをフリフリしながら大人しく抱きつかれていた。

 するとリズは、私の目を見てきた。
うん?ときょとんとしているとペロッと私の頬を舐めてきた。
 煌君は、はぁっ?と驚いた表情をしたが私は、アハハッと笑ってしまう。

「てめぇ……早く何処か行けよ?」

『ちょっと愛情表現しただけじゃないか?
 仕方がないなぁ……キラ様も早く帰るんだよ?』

 リズは、煌君が怒るので、やれやれと表情をしながらも壁にピョンッとよじ登った。
 そして去る間際にボソッと呟いた。
『なるほどねぇ……』と不敵な笑みを溢していた。

 リズが去った後。
私は、次は、何して遊ぼうか?と提案してみた。
 しかし煌君は、ランドセルを取ると背負ってしまった。

「……帰る」と言ってきた。

「えっ?もう帰っちゃうの?まだ遊ぼうよ~」

 せっかく仲良くなれたと思ったのに。
すぐに帰るには勿体ない気がした。
 しゅんと落ち込んでいるとピタッと立ち止まる煌君だった。