「だって、だって放っておけないし。
それに煌君と仲良くなりたいもん!」
これだけは譲れない。
私は、キッパリと答えると煌君は、唖然とする。
そしてしばらくしてハァッとため息を吐いていた。
「勝手にしろ。どうせダメだと言っても追いかけて来そうだしな……お前は」
「さっきからお前ばかり。私は、カレンだもん。
カレン・オーベロン。それが今の私の名前よ!」
私は、改めて自己紹介というか主張する。
お前より名前で呼ばれたい。
しかし彼は「知らねぇーよ」とツッコまれたが。
でも、少しだけ距離が縮まったみたいに思えて私は、嬉しくなった。
えへへ……と思わず笑った。
その日は、それで終わってしまった。
しかしもう少し頑張れば、もう少し距離が縮まりそうな気がしてきた。
明日も頑張ろうと心に決めて帰って行く。
次の日もいつものように学校に向かった。
友達に挨拶をして席に座る。しばらく煌君が来た。
私は勇気を出して「おはよう」と挨拶をする。
いつもなら無視されてしまうところだ。
するとこちらを見なかったが「おはよ……」と返事をしてくれた。
か、返してくれた……!!
私は、短い挨拶だったが感動する。
他の女子生徒達もまさか返してくれるとは思わなかったから驚いていた。
「ちょっ……カレンちゃん。返事返してくれたよ!?
ビックリしちゃった~良かったね」
「うん」
やっぱり少しずつだが、確かに距離が縮まっている。
まだ仲良くとは言えないが、これからでも十分に仲良くなれるだろう。
すると予鈴のチャイムが鳴った。
周りは、バタバタと席に座る。
小山先生が来ると普通に授業が始まった。
今日は、算数からだった。
算数セットのおはじきを出して黒板に合わせてやることになった。