「種族が違うと仲良くしたらダメなの?
 そんなのおかしいわよ。
大切なのは、誰と仲良くしたいかだもん」

「はぁっ?ダメに決まっているだろ。
 お前……そんな事して危ない目に遭っても知らねぇーぞ?」

「そ、そうならないようにするもん。
 それに私、転生者だから妖精族とか獣族とかって言われてもよく分からないし。
 だから自分のやりたいようにするもん」

 私は、自分の気持ちをぶつけた。
実際に転生者なので、過去や現在2つの種族がどうなっているのかとかよく分からない。

 それに元は、人間だったから獣族と言っても猫や犬とかだと人懐っこくて可愛いイメージしかない。
 そういえば隣で飼っていたマンチカンのラムも今は、どうしているのだろうか?

 入院生活が長くて会えないままだった。
たまに部屋や庭に来てくれて懐いてくれていた。
 フッと昔の記憶が蘇った。

「お前……転生者なのか……!?」

 すると煌君は、驚いた表情をしていた。
もしかして獣族でも転生者は、珍しいのかしら?
 何だか驚かれたので、こちらもビックリした。

「う、うん。そう……私もともとは、人間なの。
 心臓が悪くて亡くなっちゃって。
そうしたらキョウ様が新しい身体を与えて下さったの」

 その言葉に嘘はない。
すると少し考えた表情をする煌君だった。
 そしてボソッと「……だからか」と呟いた。

「どうしたの?」

「別に……それよりも、だからって俺に引っ付かなくてもいいだろーが?
 お前友達が居るんだし、そいつらと遊べよ」