目の前に居るのは、またイケメンの男性だった。
小麦色の肌で綺麗な金髪だった。
 顔立ちも整っており、鋭く美しい碧眼。
服装は、黒いジャケットにシャツ、そして黒いジーンズを穿いていた。
 そして私を見ていた。だ、誰?この人……?

「あ、起きちゃった。悪い、悪い起こしちゃったか?」

 その小麦色の男性は、そう言うと苦笑いする。
私の頭をよしよしと撫でてきた。
 私は、怒りよりもボーッと見惚れてしまった。
この世界に転生してからは、イケメンによく遭遇する。
 いや、妖精だから皆美しいのかしら?

「あ、ほら。起きちゃったじゃないですか。
 まったく……カレン。こちらは、シンと言います。
私の友人で正妖精でもあります」

 ルイが呆れながらも説明してくれた。
この小麦色肌の男性は、どうやらシンという名前らしい。
 正妖精の人なんだ……?
それにしても色んな妖精さんが居るのね?

 白銀の人ばかりではないようだ。
シンって人みたいに小麦色の人や金髪の人も居るらしい。
 どちらにしてもイケメンだけど……。
するとシンは、何を思ったか私をひょいと抱き上げてきた。

 私は、びっくりする。
まさか抱っこされるとは思わなかったからだ!
 しかも、ちょっと抱き方が乱暴だし……。

「シン。あまり強く抱かないで下さいよ?
首がまだ座ってないのですから……」

「なぁなぁそれよりさ、この子が転生者って本当か?
前世の記憶を持っているとか……」

「はい。記憶も前世のままです」

「へぇ~すげぇな。よろしくな、カレン」

 ニカッと無邪気に笑うシンって人。
どうやら豪快で悪戯っぽい性格をしているようだ。
 それに無邪気……。
見た目は、細身の優男という感じだが中身は、ワイルド系とでも言うのだろうか?

「それよりも、せっかくならあなたも手伝って下さいよ?子育て」

「はぁっ?何で俺が?」