次の日は、学校で様子を伺った。
残念ながら校内だと友人や周りの目があり、上手く接触が出来なかった。
だから、せめて学校帰りに接触しようとする。
だが追いかけてもすぐに居なくなってしまった。
次の日も次の日も煌君を追いかけ続ける。
身軽で足の速い彼を追いかけるのはなかなか難しい。
「あ、また逃げられた!?」
また角のところで彼を見失ってしまった。
これで何日目だろうか?
自分も何故そこまでして追いかけたいのか分からない。
しかし、それはそれで楽しみになっていた。
それは、きっと鬼ごっこをしている気分になっているからだろう。
この瞬間が元気だと感じる。
前世では、それすら出来ない毎日だった。
だから走り回り、相手を見つける喜びを感じていたいのだろう……そう自分で解釈する。
「お前さ……しつこいんだけど?」
「えっ……?」
まさと思い振り向くと壁の上で座り込んでいた。
あ、逃げずに待っていてくれたんだ!!
私は、嬉しくなりえへへ……と笑った。
「良かった~追いついた!」と言いながら。
しかし煌君は、はぁっ?という表情をする。
そして呆れたように降りてきてくれた。
ちゃんと向き合うのは、これで2回目だ。
「お前さ……どうしてそこまでして俺を追いかけたいんだよ?」
「えっ?だって仲良くなりたいし……」
「だから仲良くなれたいと言っているだろ?
お前は、妖精族で俺は、獣族。
住む世界も種族も違うんだよ!しかも天敵。
そんな奴と仲良くなれる訳がないだろう」
さらに呆れたように言う煌君だった。
しかし私は、そんな事で諦めきれない。
種族が違う、住む世界が違うと言っても今は、同じ学校に通う同級生だ。
そういうのは、国が違うからと対抗意識を持つ人みたいで私は、好きではない。
ただ素直に仲良くしたいと思っただけなのに。