「はぁっ!?冗談じゃねぇーぞ!!
 こっちは、カレンが居るんだぞ!?」

「警戒しないといけないでしょうね……」

 ルイとシンは、何かに警戒していた。
今、獣族って言ってなかった?リズって誰?
 私は、ルイのズボンを引っ張る。

「ねぇねぇリズってだぁれ?」

 しかしルイは、苦笑いすると屈み私の頭を撫でてきた。

「カレンは、気にする必要はありませんよ。
 さぁ、クラスに入りましょう。
集まる時間ですから」

 その話しに触れないようにしてきた。
あまり触れてほしくない内容の話なのだろうか?
 私は、気になりながらもチラッと、またあの少年を見た。

 すると1人の男性が、あの少年に近づいていた。
あ、あの人がリズって人かしら……?
 その男性は、アッシュブルーで少し長い髪に、赤色の目をしていた。

 見た目は、耳にたくさんピアスを付けていて、かなりチャラそうだった。
 しかしルイやシンに負けないぐらいの端正な顔立ちをしているイケメンだ。
 あの赤い目は、人間の者ではないとすぐに分かった。
あの子のお父さん?親戚?
 どちらにしてもあの少年も獣族ってことになる。
オッドアイの少年か……。

 でも不思議とその少年は、何処かで会った気がする。
何だろうか?懐かしい気持ちになった……。
 しかし警戒する間もなくクラスに集まることになった。

 私は、1組に入ると前の席に座った。
チラッと後ろを向くとルイとシンが立って見ていた。
 他の生徒の母親達は、2人を見て頬を赤らめて注目されていたが……。

 うん?よく見ると窓際の方にあの少年が居た。
同じクラスなんだと分かった。
 興味無さそうに窓の外を見ていた。
私は、何故だかあの少年が気になって仕方がなかった。

 しばらくすると担任の先生が入ってきた。
ニコニコして優しそうな女性の先生だった。
 年は、40代後半ぐらいだろうか?

「皆さん、入学おめでとうございます。
 皆さんに会えるのを楽しみにしていました。
私は、小山と言います。
 では、出席番号から呼びますので、
後ろに居るお母さんやお父さんに聞こえるように大きな声で返事をして下さいね」

 皆は「はーい」と返事をすると小山先生は、1人ずつ名前を呼んで行く。
 私は、名前からなので早く呼ばれた。