「えっ?あぁ“オーベロン”は、キョウ様の通り名の1つです。
精霊王・オーベロンとしても人間界では通ってますからね。
まぁ人間達は、それを好き勝手に作り物語にしているので正しく理解している訳ではないですが」
「へぇ~そうなんだ!?」
精霊王・オーベロンか……。
キョウ様の通り名を知れて私は、驚いてしまった。
まだまだ知らないことがたくさんありそうだ。
するとシンが腕時計を見ながら
「そろそろ出ないと間に合わなくなるぞ!」と言ってくる。
えっ……?と時計を見るとすでに時間が過ぎていた。
私達は、慌てて身支度をして家から出た。
山道を下りないといけないので早く出ないといけない。
小学校に向かう頃には、ギリギリになっていた。
急いで受付をしてクラス表を見に行く。
私は、1年1組だった。
前世も1組だったため、何だか運命的に感じる。
「あ、名前がある。1組だわ!」
「いいじゃねぇーか。1番乗りみたいで」
シンがそう言ってきたが、組で順位を決める訳ではないのになぁと苦笑いする。
すると視線を感じ振り返った。
そうしたら離れた場所から、こちらを見ている1人の少年と目が合った。
黒い髪で、こちらから見て左目が赤色で右目が黄色い目をしたオッドアイの男の子だった。
うわぁ~オッドアイだ!綺麗な目……。
それに端正な顔立ちをしていた。
しかしプイッと横を向かれてしまった。
目が合ったから気分を悪くしちゃったのかしら?
ここに居るから同い年だろう。
するとシンは、ルイに小声で……。
「おい、今の見たか?アイツ……獣族・皇族の専属の側近、リズじゃねぇーかよ!!」
「人間用の人型をしていますし、
あのチャラさは、間違いないでしょうね」
「何でアイツが、ココに居るんだよ!?」
「おそらく身内か皇族の誰かが入学されるのかと?
そうではないと、こんなところには来ないでしょうから」