「失礼します。今日は、何のご用でお呼びになられたのでしょうか?」

 ルイが代表して尋ねてくれた。
私とシンは、正座をしながら緊張した面持ちで聞いていた。
 するとキョウ様は、静かに本を閉じた。
そしてセイ様に本を渡しながらチラッと私を見た。

「何……カレンも大きくなった。
 そろそろ学校にでも行かせたらどうかと思ってのう」

 学校……!?
まさかキョウ様の方から学校の話が出るとは!!
 驚いたが、これは切り出すチャンスかもしれない。

「……それでしたら準妖精の子供専用の学校がありますので、そちらに行かせようかと」

  えっ……?
ルイの発言にそんなぁ……と思った。
 どうやらルイは、私が人間界の学校に行くのには反対らしい。ルイは、心配性だから。

「あそこはサイズ的に合わないだろう?
 カレンは、すでに大きいからのう。
そこでだ。私は、カレンを人間界の小学校とやらに通わせようかと思ってのう……?」

 まさかのキョウ様からの言葉を貰う。
キョウ様の方から人間界の学校に通ってもいいと言って下さった。
 驚いたが嬉しい……。
しかし、それに対して反対したのは、キルア様だった。

「キョウ様……本気ですか!?
 あんな危ないところにカレン1人で通わせるなんて危なすぎます!!」

「そ、そうですよ!
もしカレンの身に何か遭ったら大変です!!」

 キルア様の発言に同意するルイだった。
2人は、私が学校に行くのは、どうしても納得がいかないようだった……。
 だがキョウ様は、クスッと笑った。

「そなた達は、心配性よのう……。
 見たところ……カレンは、まだ能力を発動しておらぬ。
 それは、刺激が足りないのであろうな。
ここは、平和だが刺激が足りないからのう……?
 そこで外からの刺激で、その能力を目覚めさせようと思ってのう。
 そうしなければ一生目覚めぬだろう……」

わ、私の能力が……目覚めない!?
確かに……未だに私の能力が何なのかは、分かっていない。
 ルウトやサリーは、すでに能力が目覚めているのに。
成長が少し遅れているだけだろうとルイは、慰めてくれたけど……。
 それって影響が足りないからなの!?

 意外な真実を聞かされてショックを受ける。
一生目覚めないなんて困る。
 それだと一生私は、正妖精にはなれないから……。