シンの言葉に一瞬動揺するが、それでも行きたいと思った。
 確かに危険も隣り合わせにある。
それに準妖精の学校は、私的には、サイズが小さい。
 ルウトやサリー達も居るけど、人間界の学校の方に憧れていた。
 せっかく元気な身体を手に入れたのだ。
今まで出来なかったことをチャレンジしてみたい。

「それでも行きたい。
責任は、自分で取るから……お願い」

 もしそれで、何か遭ってもそれは自己責任。
自分の力を試してみたい……。
 シンは、ハァッ……とため息を吐いた。

「お前は、言い出したら聞かないからな。
ルイ、どうするんだ?」

「そんなのは、反対に決まっているだろ!」

 パッと振り返るといつの間にかルキア様が居た。
私もルイも驚いてしまった。いつの間に!?
 ルキア様は、立ったままこちらを睨んできた。

「キョウ様がお前達をお呼びだ。
 くだらない話をしている暇があるのなら、早く本家の方へ向かえ」

「は、はい」

 私達は、慌てて返事をした。
どうやらキョウ様のお呼びで来たらしい。
 気配すらなかったから、まったく気づかなかった。
ある意味驚いてしまった……。

 そして呼ばれたので本家に向かった。
何の用だろう?もしかして獣族のこと?
 あのオオカミの事だとしても、もうだいぶ過ぎた後だ。
その話が出るには、遅すぎる。なら違う事だろうか?

 どちらにしてもいい機会だ。
キョウ様に学校に行きたいとお願いをしてみよう。
 本家のキョウ様の部屋まで行く。

「失礼します。カレン達を連れてまいりました」

 キルア様が障子を少し開けて報告してくれた。
キョウ様から「入って参れ」と言われたので入らせてもらう。
 布団のところでキョウ様は、読書をしていた。
いつ拝見しても妖艶な美貌と色気を持ち合わせている。