「馬鹿らしい。あの小娘1人がキョウ様の弱味になる訳がない。
何処からそんな情報が漏れたのでしょうか?」
キルア様は、その事に馬鹿らしいと吐き捨てる。
セイ様は、変わらず黙ったままだ。
するとキョウ様は、クスッと笑う。
「まぁ、そういうではない。なかなかいいところに目をつけておるのう。
だがしかし……甘いのう。
そのような小賢しい真似をしたところで我々の敵ではないのだが……」
キョウ様は、その紙を落とす。
すると紙は、ひらりと落ちるのだが、地面につく前に勢いよく燃え上がり消えてしまった。
灰にも残らずに。
その姿は、恐ろしいぐらいに美しく怖いと思った。
確かに、怒らすと1番怖い存在……。
シンが言っていた言葉が、今となって分かったような気がする。
私は、ガタガタと身体を震わしているとキョウ様は、こちらを見てきた。
「カレン。そんなところに居らず近う寄れ」
私の名前を呼ばれビクッと肩を震わせた。
嘘っ……こっそり見ていたのがバレちゃった!!
どうしよう……今さら身を隠すなんて出来ないし。
出て行くのに戸惑ったが、恐る恐る出て行く。
「カレン。何故こんなところに!?
本家は、無断で入って来るのは禁止のはずだぞ!」
「ご、ごめんなさい。蝶々を追いかけていたら……つい」
キルア様に叱られ涙が出そうになった。
蝶々を追いかけるのを諦めれば良かった……。
今さらながらそう思った。
するとキョウ様は、手を横にして止めた。
「キルア……その辺にしておけ。
カレンが怖がっておる。
それに私は、気にしておらぬ。さぁこちらに」
「は、はい……失礼します」
半分泣きそうになるが、グッと我慢してキョウ様のところまで近づいた。目の前にキョウ様が。
心臓が破裂するぐらいにドキドキと高鳴っていた。
キョウ様は、優しい表情で微笑んでくれた。
「蝶々と言っておったな?
それは、式神のことであろう」