「あ、丁度良かった。では皆様。
ツレが来たので、この辺で失礼致します」

 ルイは、そそくさと立ち上がるとその場から離れた。
上手く交わしたが、周りがえぇっ~!?と言われていた。
 どうやら母親だけではなく小さな子供の心まで掴まえてしまったようだった。

「いいのか?せっかく人気者だったのに?」

「別に人気者になりたかった訳ではないですよ。
それよりも早く会計をして出ましょう」

 からかうシンだったがルイは、不満のようだった。
そして会計を済ませる。
 ルイは、読み聞かせをしていた絵本を買ってくれた。
シンの方は、1冊のはずが10冊ぐらい購入していた。
 そんなに読む気なのだろうか?

 お店に出ると人が見えない場所まで行く。
するとシンは、買ったばかりの絵本を消してしまった。
 えっ?買ったばかりなのに……。
私は、慌てるとルイが苦笑いしていた。

「大丈夫ですよ。魔法で荷物を消しただけですから
 後で戻すから心配いりません」

「ま……ほう?まほうちゅかえるの!?」

「はい。特殊な力は、それぞれの能力者にしか使えませんが、簡単な魔法は、皆使えますよ」

 えっ……?そうなの!?
だとしたら私も使えるようになれるってこと?
 それは、いいことを聞いた。使ってみたいな。
するとルイは、クスクスと笑いながら頭を撫でてきた。

「それよりもこの後は、どうしますか?
 お腹も空いたところですが、カレンの衣服がそろそろ小さくなったので新しいのを買いたいところですが」

「とりあえず飯にしようぜ?お腹空いてきた。
俺は、牛丼とか食いてぇーな」

 お昼ご飯……。
そろそろ、お昼頃かと思いながら周りを見てみると
 あるお店が見えてきた。あ、アレは……!!

「わたち。あっちぃがいい~」

 私は、反対側にあるカフェを指差した。
今流行りのカフェだ!
 あそこのカプチーノが美味しくて好きだった。
ティクアウトも出来るので母に頼み、よく買ってもらっていた。