「さっきまでキョウ様のところに。
  呼び出しがあったのです。カレンが寝ていたので、そのまま置いて行ったのですが……」

 そう言いながらシンから私を受け取った。
あぁ、だから珍しくそばに居なかったのね?
 なるほど……と納得する。

「気をつけろよ?カレンが廊下に出てたぞ。
 窓も開いているし、誤って落ちても危ないが、最近不審者が出没しているらしいからな」

「不審者ですか?それは、やはり獣族でしょうか?」

「何だ知っていたのか?恐らくな。
 アイツらも不思議な能力を使うし、人型にもなれるからな……上手く妖精に化けたかもしれん」

 えっ?獣族?何……それ?
私は、意味が分からずにきょとんとする。
 するとルイは、深刻そうな表情をしていた。

「私もキョウ様から言われたんですよ。
 同じことを……もし怪しい心を持っている輩が現れたら報告するようにと。
 そうなると怖いですねぇ……会議もそれで?」

「まぁーな。過去の資料にそんな能力を持った奴は、居たのかと聞かれた。俺のデータにはない。
 しかし特殊能力を持った奴らの中には、稀にそんな奴も産まれるかもしれん」

「そうですか……気をつけないといけませんね」

 ねぇねぇ、だから何なの?それは?
私は、必死にルイに問いかけた。
 気づいて……と手をブンブンと振るう。

「あ、すみません。カレン。
 獣族は、我々妖精族と似た分類の種族のことです。
普段は、獣……例えば狼や犬、猫などが居ます。
 しかしそれは、本来の姿ですが。
中には、特殊能力として人型になれたり、化けれるモノも存在します!」

 まぁ……凄い!!
犬、猫って私達人間がペットにしている動物だ。
 まさか、そんな特殊種族だったなんて……。
私は、それを聞いて驚いてしまった。

「他にも爬虫類族や鳥族も居るのですが。
 昔は、人間も含めて共存していたのですが……何せ獣や爬虫類族などは、我々にとって天敵なんですよ。
 準妖精達は、小さいので食糧にされてしまいます!
なのでキョウ様が結界を張って独立させたのです。
我々を守るために……」

 ルイの説明に衝撃を受けた。
確かに小さな妖精達には、危ないだろう。
 獣や爬虫類は、肉食なども居るし小さな獲物を食べる習性があるからだ。