私は、それでも助けたいと思った。
もともとは、死ぬはずだった命だ。
 削ることになったとしても何も変わらない。
いや、むしろ妖精の寿命は長い。
 それでも、人間の寿命よりは長いはずだ。

 煌君は、私を守ってくれた。
なら次は、私が煌君を助ける番だ!

「命なら、いくら削ってもらっても構いません。
 ですから、煌君を助けて下さい!!」

 涙を流しながらも必死にキョウ様にお願いする。
するとキョウ様は、クスッと微笑んだ。
 そしてパチンッと扇子を閉じると上に少し挙げた。

 そうすると煌君の身体が少し浮くと輝き出した。
身体から青白く丸い光の玉が出てきた。
 これは、魂だろうか?
生暖かく神々しい光りだ……。
 これは……?私は、驚きながらそれを見ていた。

「良かろう。そなたの願い聞き入れた。
 寿命は、別に半分こする必要はない。
そなたの意思を聞きたかっただけじゃ。
 寿命なら私のを代わりに代用すればよい」

 えっ……?それって……。

「キョウ様!?よろしいのですか!?
 それだとキョウ様の寿命が削られることになります。
 そんな奴のために削るだなんて……勿体ない」

 キルア様が慌てて止めていた。
やっぱり、そうなるとキョウ様の命が!?

 代わりに寿命を分けてくれることに驚きと申し訳なさが生まれる。
 だって……そうなるとキョウ様が。
そうではなくても……1番のご高齢なのに。
 しかしキョウ様は、クスッと余裕の表情で微笑んでいた。

「心配する必要はない。私を誰だと思っておる?
 私の能力は“不老長寿”じゃ。
いくら寿命を削ろうと私の命までは削れぬ。永遠とな」

 キョウ様の能力は……“不老長寿”!?
するとカッとその丸い魂がさらに光り出して眩しくなっていく。

 目が……開けられない!?
ま、眩しい……!!
 私は、悲鳴と共に……その光りに包みこまれたのだった……。