「あなたは……リズ!?
何故?獣族のあなたが……ここに居るのですか!?」
まったく恐れないどころか、クスクスと笑うリズだった。
ルイは、警戒をしつつ驚いていた。
シンも泣いている私を抱き締めながら警戒をしている。
「おい。何でお前が、まだここに居るんだ!?
お前の皇子は、死んだんだぞ!?
それに獣族のお前が何故、そんなに悠長で居られる?」
「……それは、私の方から説明するとしよう」
その事に対して割って入ってきたのは、キョウ様だった。何故……?
私も涙を溢れながら驚いた。
するとリズは、クスッと笑うとキョウ様に向かって片方のひじをつくように座ると頭を下げてきた。
だが、それだけではなかった。
身体が包まれるように光ると姿を変えていく。
アッシュブルーだった髪がキョウ様達と同じ白銀の髪に。
少し顔を上げた目は、赤色からエメラルド色の目になっていた。
えっ……リズって妖精さんだったの!?
驚き過ぎて涙が引っ込んでしまう。
するとニコッと微笑むリズ。
背中から羽根を出して見せてきた。
間違いない……綺麗な羽根を持つ妖精だった。
「紹介しよう。その者の名は、リゼル。
聖霊四大臣の1人じゃ」
よ、四大臣の1人!?
私だけてはなくシンとルイも驚いていた。
「はぁっ?聖霊四大臣って……確かに。
アルフレットじじぃとイルじじぃ、大司教様。
残りの1人は、空席のはずだが……?
それにリゼルなんて奴聞いたこともない」
「記憶力のいい君が知らなくても当然だよ。
その手の情報は、全て処分したし。
俺は、潜入捜査として獣族にずっと居たからね。
俺の“コピー”能力を使えば、出来ることさ」
シンの疑問にリズ……リゼルさんは、軽々しい口調でそう答えてきた。
コピー能力って……凄い。
じゃあ、あのロシアンブルーの姿もそれで変身したの?
「“コピー”って“変化”と、どう違うんだよ?」