「珍しいか?ここの魚は、人間の魚に比べて小さいからな。
 食べると旨いぞ。よし、食べたから運動だ!」

 シンは、そう言うとジーンズをまくり上げて湖の中に静かに入って行く。
 すると振り返り私を抱っこしてきた。
えっ……私も!?
 驚いているとルイも慌てていた。

「シン。気をつけて下さいよ!?
 カレンは、まだ泳げないのですから……。
それに服が濡れてしまいますよ」

「大丈夫、大丈夫。
 少しぐらい濡れてもすぐに乾くって……お前は、過保護だぞ」

 シンは、笑いながら私を抱っこし、湖の中を歩き出した。
 誤って落とされたら本気で泳げないから怖い。
前世でも水泳なんてやらせてもらえなかったから、本当に泳げないし……。

 必死にしがみついていると子供の妖精達が、こちらに集まってきた。
 ニコニコしながら……。

「シンお兄ちゃん達も遊ぶの?」

「赤ちゃん。大きいけど可愛いね」

 子供達は、私に警戒しない。
それよりも笑顔で私を迎え入れてくれた。
 子供だからなのか、またまた興味本位なのか分からないけど嬉しくなる。
 キャッキャッと喜ぶとシンは、クスッと笑った。

「近寄らないから怖がるんだ。
 こうやって触れた方が新しい発見もあるってもんだ」

 確かに、危ないからとか心配だからと言われて、ろくに何もやらせてもらえなかった。
 だから自然と臆病になっていた……。
こうやって触れる喜びを初めて知った。

 その後もシンに支えてもらいながら水遊びを楽しんだ。
 濡れてしまったが、水も冷た過ぎず気持ちがいい。
手足をバシャッバシャッと動かすと水が跳ねる。
 すると子供達が大はしゃぎ。
私も心の底から笑い楽しんでいた。

 しばらくすると冷えるからと水遊びが終了する。
もう少し遊びたかったが仕方がない。
 ルイは、シンから私を受け取るとバスタオルを使い身体を包み込むようにして拭いてくれた。

「だいぶ濡れてしまいましたねぇ~早く着替えましょう」