「あ……兄者!?」
双子のもう1人は、驚いて後ろを振り返った。
するともう1人に向かっても回し蹴りをする人物。
それは、煌君の護衛のリズって人だった。
もう1人の双子も倒れ込んだ。
凄い……それに強い!?
唖然としているとリズって人は、私を見るとクスッと微笑んできた。
「悪かったね……お待たせ」と言ってきた。
しかし双子は、それぐらいでは気絶しなかった。
よろめきながらも立ち上がってきた。
口元についた血を吐き捨てた。
「き、君は……リズ。何故僕らの邪魔をする!?」
「あ、悪いねぇ?俺……キラ様の護衛だからさ。
これって、正当防衛だよね?
俺は、キラ様を守っただけだからさ」
睨み付ける双子に対してリズって人は、得意そうに笑う。
しかしそれに双子は、激怒していた。
「護衛だろーが君は、皇族の皇子である僕らに怪我を負わせたんだよ!?
これは、重罪だ。この責任をどう取る気だ!?」
「そうだ。父様達に言いつけて君をクビにしてやる。
いや……死刑にしてやる!!」
双子は、キレるようにそう言ってきた。
し、死刑って……!?
だがリズって人は、クスッと笑うと双子を見る。
「お好きにどうぞ?でも、そうなる前に。
君らが無事に帰られた場合だけどね?」
「はぁっ?それはどういう……ぐっ!!」
どうしたのだろうか?
双子達は、身体を硬直させたように動かなくなった。
むしろ身体を小刻みにピクピクさせている……。