「えっ?キョウ様の事を言ったら周りが静まり返ったのは、何故かって?そうですね……。
 キョウ様は、妖精界を統べる方だからでしょうか?」

 妖精界を統べる方……?
それは、長老であり当主だからってこと?

「まぁ……当主だからってのもありますが。
 キョウ様は、妖精界を治めるだけではなく、妖精のすべての力を持ちすべてを知る者だからです」

 妖精のすべての力を持ち……すべて知る者?
ますます意味が分からなかった。
 つまりは、偉い方ってこと……?

「おいおい、ルイ。それだと難しく過ぎてカレンが理解出来ないだろーが?
 コイツ前世人間だぜ?
つまりは、キョウ様を怒らすと1番ヤバい存在だってことだ!」

 こ、怖がらすと1番ヤバい存在!?
想像しただけでも身体が震えてしまった。
 そんな……どうしよう。私上手く付き合っていけるかしら?

「シン。あなたこそ……カレンを怖がらせてどうするのですか!?
 大丈夫ですよ……キョウ様は、慈悲深い方ですから。
あれは、場を落ち着かせるために言っただけです。
 この世界は、争いもありません。それは、
キョウ様が治めるだけの権力を持ち、それだけ皆に慕われているからなんです」

……そうなの?

「はい、もちろんです!
 私達も含めて皆キョウ様を慕っております。
きっとカレンもキョウ様を慕うようになりますよ。尊敬するお父上として」

 正直生まれ変わったとしてもキョウ様を父上とは、思えなかった……。
 だってあんなに若くて綺麗な人だ。
近くに見るたびに圧倒され神々しい、オーラと美しさに恐縮してしまう。
 言われて見れば、あの圧倒的なオーラに逆らう気も失せるだろう。なるほど……。

「さぁ、お喋りはその辺にして食事にしましょう。
カレンは、まだ離乳食ですが……はい、あーん」

 ルイは、話題を変えるように口に離乳食を押し込んできた。
あまりその話題に触れてほしくないのだろうか?
 私は、これ以上聞かずに離乳食を食べた。

 そして食べ終わると日向ぼっこをする。
しばらくすると子供の妖精が湖で遊び始めた。
 その後に他の妖精達も……。

 よく見ると湖に比べて魚は、とても小さい。
じゃこぐらいのサイズで赤ん坊の手でも簡単に捕まえられそうなほどだ。
 私は、興味津々と覗き込んだ。