でもそれは俺の独りよがりだったのか…。
この妙齢の店主には手に取るように伝わっていたのか…。
「否定されないご様子だね…。いい加減な気持ちなら、絶対近づかないで下さい」
いい加減な感情じゃない。
今、店主に言われてみて。
俺は自分の気持ちをはっきりと自覚した。
言われなければ気付けなかったかもしれない。
いつのまにか彼女に…
俺の心をまるごと持っていかれていたのだ…
「いい加減な気持ちではありません」
店主を見据えきっぱりと言い切る。
だが店主も「はいそうですか」とはいかなかった。
「たとえそうだとしても。雪穂が…あの子が抱えているものすべてをアンタが背負えるはずがない」
どういう…意味だ?そこまで言い切れるほど。
彼女の抱えているものは重いという話なのか?
「誰にでも生きてれば色々あります。若輩の俺が言うのはおかしいかもしれませんが、俺も色々あります。雪穂さんのことだって…」
「そんな生半可なもんじゃない。あの子の抱えてるもんは。到底アンタには無理だ」
相当なものを抱えているのだろうと、店主の様子で理解はできる。
だけどなんで最初から無理だと決めつけられる?
やってみなきゃわからないじゃないか。
「決めつけないでください。なんで俺には無理なんですか?」
「アンタ、生まれは?」
「は?…えっと…東京ですが、それが?」
「今までずっとか?」
「はい。生まれも育ちも、東京です」
「ほんなら尚更無理だわ」
「生まれ育った場所が関係あるんですか?」
「それも、ある…。アンタは田舎の実情を知らん。どんなに閉鎖的で保守的か…」
この妙齢の店主には手に取るように伝わっていたのか…。
「否定されないご様子だね…。いい加減な気持ちなら、絶対近づかないで下さい」
いい加減な感情じゃない。
今、店主に言われてみて。
俺は自分の気持ちをはっきりと自覚した。
言われなければ気付けなかったかもしれない。
いつのまにか彼女に…
俺の心をまるごと持っていかれていたのだ…
「いい加減な気持ちではありません」
店主を見据えきっぱりと言い切る。
だが店主も「はいそうですか」とはいかなかった。
「たとえそうだとしても。雪穂が…あの子が抱えているものすべてをアンタが背負えるはずがない」
どういう…意味だ?そこまで言い切れるほど。
彼女の抱えているものは重いという話なのか?
「誰にでも生きてれば色々あります。若輩の俺が言うのはおかしいかもしれませんが、俺も色々あります。雪穂さんのことだって…」
「そんな生半可なもんじゃない。あの子の抱えてるもんは。到底アンタには無理だ」
相当なものを抱えているのだろうと、店主の様子で理解はできる。
だけどなんで最初から無理だと決めつけられる?
やってみなきゃわからないじゃないか。
「決めつけないでください。なんで俺には無理なんですか?」
「アンタ、生まれは?」
「は?…えっと…東京ですが、それが?」
「今までずっとか?」
「はい。生まれも育ちも、東京です」
「ほんなら尚更無理だわ」
「生まれ育った場所が関係あるんですか?」
「それも、ある…。アンタは田舎の実情を知らん。どんなに閉鎖的で保守的か…」