「これも旨いですね…。鰤みたいだけど…ちょっと違うか…」

「最初に食べられたのが鯵で、次のがまるごというお魚です。まるごは鰤になる前の少し小さい状態のものをいいます」

「なるほど…鰤よりサッパリしているのはそういう理由か…」

「その海苔と青紫蘇で巻いたものもどうぞ」

これは…なんだろう?
海苔巻きから食べてみる。
あ…チーズだ。
鼻から抜けるミルクの香りはどうだ。
なんともいえないほど旨い。

「これはチーズ、ですよね?でも今まで食べたことがないタイプです」

「一応ゴーダチーズなんですけど、パスチャライズ牛乳から作っていて、マイルドな味わいだと思います」

「ゴーダなのか…。今まで食べたゴーダチーズよりさらにクセがなくて。チーズが苦手な人でも食べられそうですね」

それに、海苔とチーズがこんなにも相性がいいなんて知らなかった。
青紫蘇のも爽やかでミルク感がより一層際立つ。

俺は続いて竹輪の巨大化したものを口にした。

うわぁ…
この弾力はなんだ?
味も普通の竹輪より濃厚だ。
よく見ると色も白ではなくグレーに近い。

「これ…すごいですね。歯応えが半端ないです」

「アゴと呼ばれる飛び魚を原料にした竹輪のようなものです」

アゴ?知らないな…。
飛び魚って跳ねるように海面から飛び出して泳いでいるあの魚か。