それを…
単刀直入に聞いてみたい衝動に駆られる。

「中上さん、もしかして…」

そのとき襖がガラッと威勢よく開かれた。

「お待ちどうさま!」

店主が盆に飲み物と料理をのせて入ってきたのだ。

「雪穂がウーロン茶で、こちらさんがビールね。それとノドグロの塩焼きと。色々雪穂の好物にしたけど、よかったか?」

「ええ。ありがとう」

店主が置いた皿を見る。

ノドグロと、あとは刺身。光り物と…ハマチみたいなのもある。
それから、白く楕円形のものに海苔と青紫蘇が巻いてある。
もうひとつの皿には…
竹輪の巨大化したようなものがのせられていた。
ほとんど味わったことはもちろん、見たこともないような料理ばかりだ。

俺が料理を凝視していると彼女が言った。

「お造りからどうぞ」

「…あ、はい…」

光り物は見た目は鯵っぽい。
でも鯵にしては大きい。
のぞきに醤油を差し、おろし生姜を入れて少しだけつけて口に入れた。

おお…
なんだこれは?
恐ろしく脂がのっている…。

「どう…ですか?」

「いや…すごく旨いです…。脂がめちゃくちゃのってますね」

隣のハマチらしきものも食べてみる。

これも相当脂がのっている。
でも後口はサッパリとしていて。
いくらでも食べられそうだ。