「先日は…言い過ぎました。大人げなく勝手に帰ってしまって…後のことを考えもせず…浅はかだったと反省しています。あの後…雰囲気が悪くなって解散したんですよね…?」

俺の予想に反してそう言った女に罪悪感が芽生えた。

「いえ…俺こそ…申し訳ありませんでした。雰囲気が悪くなったのは…あなたのせいだけではないですよ。俺も共犯者ですから…」

「ほんとに…申し訳ありませんでした…。もう二度とあんな真似はしません」

「合コンであれはマズかったですよね。俺も二度としないつもりです」

「そうですね…。よくよく考えてみたら合コンだったんですよね…。私は興味がなかったんでそれすらも忘れてて…」

やはり…人数合わせかはたまた本条の引き立て役で連れ出されたのだ。
そうじゃなきゃまったくタイプの違う女を連れてくる意味がないもんな。
けど、本条は自分の思惑が外れてさぞかしご立腹だっただろう。

「何か言われませんでしたか?お連れの人達に」

女は一瞬驚いたように俺を見上げた。
だがすぐに落ち着きを取り戻した表情になる。

「…いえ…特には…」

「俺は言われましたよ。らしくないってね」

「そう…なんですか…」

「本当は何か言われたんじゃないですか…?」

「…本当に…何も…」