雪穂の名前の由来を聞いて俺は妙に納得した。
親方がどれほどの愛情を込めて付けたのか。
自分の情熱を注ぐ酒造りに因んだ名前を最愛の娘に付けたのは。
きっと親方の強い決意だったのだろう。

いつか…
雪穂とのあいだに子供が産まれたら。
酒造りに因んだ名前をつけたい。

「雪穂…いい名前だ…。俺を一生虜にして離さない名前だな…」

「章悟さん…」

「愛してる…雪穂…」

そう囁いて雪穂にそっと口づけた。

ありがとう…。俺を…受け入れてくれて。
やっと俺は自分を好きになれた。すべて君のおかげなんだ。

君はまるで雪のように…強くしなやかに俺を包んでくれる。
これまでも…そしてこれから先も…


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