俺は迷わず核心に触れた。

「藤原さん、何か隠してるでしょう?雪穂さんに何かあったんですか?」

『えっ!そ、そんなこと、ないですよっ!』

慌てぶりが肯定を意味している。

「電話に出られないような…何か重大なことがあったんですか?お願いです。冗談で言ってるんじゃないんです。教えてください!」

詰め寄る俺に根負けしたのか藤原さんが小声で話し始めた。

『実は…雪穂さん、入院されたんです…』

「なんだって!?入院!?どこか怪我でもされたんですかっ!」

『加賀見さん、お願いだから落ち着いて!もぅ…こうなるってわかってたから言いたくなかったんよねぇ…』

「取り乱してスミマセン…。でも教えてください。彼女に一体何があったんですか?」

『あの…加賀見さん…。決して自分を責めないでよ』

どういう…意味、だ?

「自分を責めるって…」

『お嬢さん…雪穂さん…PTSDが再発して…倒れたんですよ』

PTSD…
まさか。
俺が…アイツと同じように…
彼女の元から去って。二度と戻らないと?

「バカな…。そんなわけないのに…」

『加賀見さんはご存知ないから…。お嬢さんがどれだけ傷ついたか…。半狂乱になったくらいですからね…それ思い出したんでしょう…』

そんな…俺のせいで…
俺のせいで雪穂の病気が再発したのか?