女友達…
それって。

「お互い必要な時に会うっていう自由な関係です」

なるほど…
っていうかそんな相手が何人もいるって!

「すごいな…俺には考えらんね」

「それは…加賀見さんは…好きな人に振り向いてもらえそうだから…」

そうだった…。
確かコイツが本気で惚れている相手とは結ばれないとかなんとか言ってたな…。
不毛な恋をしてるから…
その虚しさを紛らわせるために。
わからなくはないが。俺にはできそうにない。

「辛いこと思い出させたか…。ごめんな…」

「大丈夫、です…。もう…慣れたんで」

「折原…、お前の話もちゃんと聞いてやりたいんだけど…今は自分のことでいっぱいいっぱいで…」

「わかってます…。俺も今更誰かに聞いてもらおうとか、なんとかしてもらおうなんて…思ってませんから」

力なく笑う折原に思わず手を差し伸べたくなる。
だけど中途半端な優しさは返って傷つけるだろう。
今は己の目の前に立ちはだかる壁を越えなければいけないんだから。
それに集中しろ。

「情けない先輩ですまん…」

つい折原の優しさに甘えてしまっている。

全部解決したら必ずお前を助けるから。
俺にくれた恩は必ず返すから。
だから…それまでは腐らないでくれよ。