モヤモヤしたまま風呂に入るのもどうかと思い、そのまま炬燵でじっとしていた。
すると玄関が開き、親方に呼ばれた。

「加賀見!ちょっとええか?」

俺が呼ばれた理由。
パトカーの存在。
これを結びつけない理由はない。
でも俺は警察に厄介になるような覚えはなかった。

上着を羽織り玄関へ出ると。
親方の隣には制服を着た警察官が二人立っていた。

「加賀見…。警察の方が話を聞きたい、言われてな」

「は?俺に、ですか?」

親方の返事を待つまでもなく、一人の警察官が横柄な態度で質問してきた。

「アンタ、真瀬洋一を知ってるな」

「え…はい。同僚です…」

「今日の昼間。何があった?」

昼間といえば。
門脇が真瀬に掴みかかった一件があった。
でもその話は…
追廻の四人だけで封印したはずだ。
なのになぜ警察に?

俺は事態が上手く掴めず、答えることができずにいた。

「答えんところを見ると、真瀬さんの言ってるとおりなんだな」

は?どういうことだ?
真瀬は。
自ら警察に行き、何かを話したっていうのか?

「あの…お話がよく、わかりませんが…」

「昼間、仕事中にいきなり殴られたと言ってる。アンタに、な」

なんだって…?
俺が、真瀬を、殴った、だと?