俺と彼女の破局は瞬く間にキャンパス中に知れ渡った。
どうしたって目立つ俺たちが一緒にいなくなればそれも頷ける。
達也にも直接尋ねられたが性格の不一致だといって切り抜けた。
元々近づき難い俺に、達也以外尋ねてくるヤツはいなかったから助かっていた。
だが。
なんとか心の均衡を保とうとしていた俺を灰心喪気させる事態にぶち当たる。
別れてからまだそれほど経っていないというのに。
彼女が男と連れ立って歩いている姿を目撃してしまった。
幸いキャンパス内ではなかったのがせめてもの救いだった。
同じ学校の学生たちが来るような場所でもなかった。
俺はたまたま、用事があったから来ただけだ。
そんな偶然が俺を奈落の底に突き落とすとは…
人生とはどこまでも非情だと思わずにはいられない。
彼女と肩を並べて歩く男。
背も高いわけではなく、彼女とさほど変わらない。
何よりも一番驚いたのは。
痩身ではなく小太りで、ちらりと盗み見たその横顔は…
端正とは言いがたかった。
その事実は俺を容赦なく叩きのめした。
彼女の言葉が絵空事なんかではなく、真実だということにたじろいでいた。
そしてその日の夜。
俺は初めて夢を見た。
彼女を…拳銃で撃ち殺し、すでにこと切れているその体にありったけの弾を、なくなるまで打ち込んでいる。
朱に染まった地面を茫然と見下ろし口角を上げている自分の姿。
狂気に満ち満ちた笑い声が部屋中に響き渡る。
その声が
いつまでも俺の耳に残っていた…。
どうしたって目立つ俺たちが一緒にいなくなればそれも頷ける。
達也にも直接尋ねられたが性格の不一致だといって切り抜けた。
元々近づき難い俺に、達也以外尋ねてくるヤツはいなかったから助かっていた。
だが。
なんとか心の均衡を保とうとしていた俺を灰心喪気させる事態にぶち当たる。
別れてからまだそれほど経っていないというのに。
彼女が男と連れ立って歩いている姿を目撃してしまった。
幸いキャンパス内ではなかったのがせめてもの救いだった。
同じ学校の学生たちが来るような場所でもなかった。
俺はたまたま、用事があったから来ただけだ。
そんな偶然が俺を奈落の底に突き落とすとは…
人生とはどこまでも非情だと思わずにはいられない。
彼女と肩を並べて歩く男。
背も高いわけではなく、彼女とさほど変わらない。
何よりも一番驚いたのは。
痩身ではなく小太りで、ちらりと盗み見たその横顔は…
端正とは言いがたかった。
その事実は俺を容赦なく叩きのめした。
彼女の言葉が絵空事なんかではなく、真実だということにたじろいでいた。
そしてその日の夜。
俺は初めて夢を見た。
彼女を…拳銃で撃ち殺し、すでにこと切れているその体にありったけの弾を、なくなるまで打ち込んでいる。
朱に染まった地面を茫然と見下ろし口角を上げている自分の姿。
狂気に満ち満ちた笑い声が部屋中に響き渡る。
その声が
いつまでも俺の耳に残っていた…。