「さっさと告白しちゃいなさい。今さらもったいぶったってしょうがないでしょ。もう一年以上も一緒にいるのよ、あんたたち」
「だいじょうぶ。私も響も、応援する。おむすびは一心に気持ちを伝えるべき」

ふたりがこんなに応援してくれるなんて、思っていなかった。告白して、私と一心さんの関係がどう変わったとしても、ふたりがいれば大丈夫だと思える。

「ありがとう、ミャオちゃん、響さん……」

 ふたりの顔を交互に見つめたら、やっと笑顔を作れた。

 正直、告白することはまだ怖い。振られたら、こころ食堂にいられなくなるかもしれない。一心さんはそんなことで解雇するような人じゃないけれど、もし一心さんの居心地が悪くなるようなら、やめることを考えなければいけないから。

 でも、伝えてみたい、一心さんの気持ちを聞いてみたいという気持ちが私の中で大きくなり始めたのも確かだ。ふたりに打ち明けられたことで、私の中の恋心は間違いなく一歩前進している。

「いつになるか、わからないけれど……。ちゃんと気持ちを伝えられるように、心の準備を始めようと思います」

 ちょっと弱気な告白宣言になってしまったけれど、ふたりはうなずいてくれた。

「まあ、ここまで来たら急いでも急がなくても変わらないか。そのくらいゆっくりなほうが、おむすびらしいかもね」
「おむすびのタイミングで、いいと思う」

 じっくり、お釜でご飯を炊くように育ててきた、私の恋。蓋を開けるのは怖いけれど、その中にあるあったかくてきらきらした気持ちを、いつかあなたに伝えられますように。