たくさんケーキを食べ、柚人さんや夏川とも話をし、楽しかったガーデンウエディングは終わりの時間を迎える。フィナーレを飾るのは、四葉さんによるブーケトスだ。
独身女性は前に出てください、と柚人さんにうながされ、私とミャオちゃんが進み出る。響さんは、自分も思いきって参加しようか最後まで迷っていた。
「じゃあ、投げますよ~」
四葉さんの声で、集まった女性たちが色めき立つ。やっぱり、女性だったらブーケを一度はキャッチしてみたいと思うのだろうか。
親族でも、古くからの友人というわけでもない私とミャオちゃんは、ほかの人にチャンスを譲れるようにそっとはじっこに移動する。
「えいっ」
そして、ブーケは四葉さんの手を離れ、ぽーんと高く放り投げられた。
四葉さんこれ、思いっきり投げすぎなんじゃ?
ブーケは待ち構えた女性たちの上……を素通りして、様子を静観していた男性参列者たちのもとへ。
「ん?」
そして、ぼんやりしていた一心さんの手元にすとんとおさまった。
「い、一心ちゃん……」
「な、なんだこれは。俺が受け取っていいのか?」
「ど、どうなのかしら……」
好奇の視線にさらされた一心さんは、明らかに動揺している。自分の手元のブーケと、周りの参列者を何度も交互に見て――。
「……っ。おむすび」
眉間に皺を寄せたまま、助けを求めるように私を呼んだ。
「は、はい」
あわてて駆け寄ると、無造作にブーケを渡された。胡蝶蘭をベースにした、白くて小さなブーケ。
「これを受け取れ」
「えっ、ど、どうしてですか?」
「普通は女性が受け取るものなんだろ。早くしてくれ。女性たちの目線が痛い」
「わ、わかりました」
私が一心さんの手からブーケを受け取った瞬間、周りがざわめく。
独身女性は前に出てください、と柚人さんにうながされ、私とミャオちゃんが進み出る。響さんは、自分も思いきって参加しようか最後まで迷っていた。
「じゃあ、投げますよ~」
四葉さんの声で、集まった女性たちが色めき立つ。やっぱり、女性だったらブーケを一度はキャッチしてみたいと思うのだろうか。
親族でも、古くからの友人というわけでもない私とミャオちゃんは、ほかの人にチャンスを譲れるようにそっとはじっこに移動する。
「えいっ」
そして、ブーケは四葉さんの手を離れ、ぽーんと高く放り投げられた。
四葉さんこれ、思いっきり投げすぎなんじゃ?
ブーケは待ち構えた女性たちの上……を素通りして、様子を静観していた男性参列者たちのもとへ。
「ん?」
そして、ぼんやりしていた一心さんの手元にすとんとおさまった。
「い、一心ちゃん……」
「な、なんだこれは。俺が受け取っていいのか?」
「ど、どうなのかしら……」
好奇の視線にさらされた一心さんは、明らかに動揺している。自分の手元のブーケと、周りの参列者を何度も交互に見て――。
「……っ。おむすび」
眉間に皺を寄せたまま、助けを求めるように私を呼んだ。
「は、はい」
あわてて駆け寄ると、無造作にブーケを渡された。胡蝶蘭をベースにした、白くて小さなブーケ。
「これを受け取れ」
「えっ、ど、どうしてですか?」
「普通は女性が受け取るものなんだろ。早くしてくれ。女性たちの目線が痛い」
「わ、わかりました」
私が一心さんの手からブーケを受け取った瞬間、周りがざわめく。