一心さんが、こわばっていた表情をゆるめてかすかに微笑む。好きな人にそんなふうに言われたら、胸がドキッとしてしまう。自分のことをわかってくれている、って期待してしまうではないか。
しかし、そのあとの一心さんのセリフはもっと私をうれしくさせるものだった。
「以前だったら、自分には向いていないと意固地になって、どれだけ期待されようが引き受けなかったと思う。やってもいい、と少しでも思ってしまったのは、おむすびの影響なんだろうな」
「えっ」
顔を赤くした私には気づかず、一心さんが続ける。
「芋煮会のときにも言っていただろう。みんなが喜んでくれるからやりたいと。そういう考え方を、俺もできるようになったということだ。おむすびのおかげで」
つぶやくように話す一心さんの横顔を、こっそり見る。少し照れたような、でもどこか楽しんでいるようなその顔。出会ったころには考えられなかった表情を見せてくれ、そしてその変化を私のおかげだと言ってもらえる。
この想いを口に出せなくても、これでけで充分だと思ってしまう。
「ありがとうございます……。がんばりましょうね、桜まつり」
胸がいっぱいになって、潤んだ瞳に気づかせないよう、はしゃいだ声を出した。
「ああ、まずはメニュー決めからだな」
今日はもう時間が遅いので、明日の定休日にお互いにアイディアをまとめ、休み明けの水曜日にメニュー決めのミーティングをすることに決まった。
しかし、そのあとの一心さんのセリフはもっと私をうれしくさせるものだった。
「以前だったら、自分には向いていないと意固地になって、どれだけ期待されようが引き受けなかったと思う。やってもいい、と少しでも思ってしまったのは、おむすびの影響なんだろうな」
「えっ」
顔を赤くした私には気づかず、一心さんが続ける。
「芋煮会のときにも言っていただろう。みんなが喜んでくれるからやりたいと。そういう考え方を、俺もできるようになったということだ。おむすびのおかげで」
つぶやくように話す一心さんの横顔を、こっそり見る。少し照れたような、でもどこか楽しんでいるようなその顔。出会ったころには考えられなかった表情を見せてくれ、そしてその変化を私のおかげだと言ってもらえる。
この想いを口に出せなくても、これでけで充分だと思ってしまう。
「ありがとうございます……。がんばりましょうね、桜まつり」
胸がいっぱいになって、潤んだ瞳に気づかせないよう、はしゃいだ声を出した。
「ああ、まずはメニュー決めからだな」
今日はもう時間が遅いので、明日の定休日にお互いにアイディアをまとめ、休み明けの水曜日にメニュー決めのミーティングをすることに決まった。