結婚式を二週間後に控えた花嫁さんの笑顔とは、こんなにキレイなものなのだろうか。ピンク色の幸せオーラに、ぼうっとなってしまった。
「おむすびも、したいの? 結婚」
そんな私に、ケーキを食べ終わったミャオちゃんが鋭い眼差しを見せる。
「えっ、そうなの?」
なにかを誤解したらしい四葉さんが、目を見開いている。
「そ、それは、いつかはしたいですし、憧れてますけど……。今すぐしたいってわけじゃあ。それに、相手もいませんし」
「ああ、そうなんだ。びっくりした。てっきり、そういう予定でもあるのかと」
「ないです、ないです!」
一瞬、自分のウエディングドレス姿と、一心さんのタキシード姿を想像してしまったなんて言えない。それに、一心さんならきっと和装派だろうし。――って、そういう問題じゃなくて。
動揺したせいで、息があがってくる。今、心の中を覗かれていたら、恥ずかしくて失神していたかもしれない。
「あ、お客さま来ちゃった。それじゃ、チョコありがとうね、おむすびちゃん」
「は、はい……」
紅茶を無心で飲みながら、心を落ち着かせる。
「おむすびも、すればいいのに。結婚」
そうつぶやくミャオちゃんは、結婚式をおいしいものが食べられるパーティーだと勘違いしているに違いない。きっと、そうだ。
なにかを訴えかけてくる大きな瞳を食い意地のせいにして、私は自分のケーキを食べ終わるまで、ミャオちゃんと視線を合わせなかった。
「おむすびも、したいの? 結婚」
そんな私に、ケーキを食べ終わったミャオちゃんが鋭い眼差しを見せる。
「えっ、そうなの?」
なにかを誤解したらしい四葉さんが、目を見開いている。
「そ、それは、いつかはしたいですし、憧れてますけど……。今すぐしたいってわけじゃあ。それに、相手もいませんし」
「ああ、そうなんだ。びっくりした。てっきり、そういう予定でもあるのかと」
「ないです、ないです!」
一瞬、自分のウエディングドレス姿と、一心さんのタキシード姿を想像してしまったなんて言えない。それに、一心さんならきっと和装派だろうし。――って、そういう問題じゃなくて。
動揺したせいで、息があがってくる。今、心の中を覗かれていたら、恥ずかしくて失神していたかもしれない。
「あ、お客さま来ちゃった。それじゃ、チョコありがとうね、おむすびちゃん」
「は、はい……」
紅茶を無心で飲みながら、心を落ち着かせる。
「おむすびも、すればいいのに。結婚」
そうつぶやくミャオちゃんは、結婚式をおいしいものが食べられるパーティーだと勘違いしているに違いない。きっと、そうだ。
なにかを訴えかけてくる大きな瞳を食い意地のせいにして、私は自分のケーキを食べ終わるまで、ミャオちゃんと視線を合わせなかった。