「だからまず、お友達から始めたいんですけど。そのうちになにか、わかるものがあるかもしれませんし」
一度憂いをおびた響さんの瞳が、まんまるになる。
「ほ、本当に?」
「はい。ただ、ご期待に添える結果になるかどうかは……」
「いいのよ、そんなこと気にしなくて。充分よ……。こんなふうに歩み寄ってくれた人、初めてだもの……」
口で手をおおった響さんは、泣きそうになるのを隠していなかった。私もつられて、目に涙がにじみそうになる。
「うれしい。白州さん、本当にありがとう。あたし、好きになったのがあなたで、本当によかったと思う」
「そんなふうに言っていただけて、俺もうれしいです」
「もし、ダメだと思ったらはっきり言ってちょうだいね。そしたらあたし、いい女友達ポジションになれるよう努力するから」
「はは、それは心強い」
くったくなく笑う白州さんと、素のままの響さんを見ていて、感じる。このふたりは、恋愛関係になってもならなくても、きっと一生、いい関係を続けていけると。
そのくらい、ふたりの空気は違和感なくなじんでいた。気心知れた親友同士にも、恋人一歩手前の男女にも、どちらともとれるように。
「ねえ、これからうちのバーで飲まない? 今日は臨時定休日にしてあるんだけど、特別に開けるから」
「いいんですか? 自分の器がバーで使われているところ、見ておきたかったんです」
「じゃあ、さっそく行きましょ。一心ちゃん、ごちそうさま。おむすび、お会計お願い」
「は、はい」
一度憂いをおびた響さんの瞳が、まんまるになる。
「ほ、本当に?」
「はい。ただ、ご期待に添える結果になるかどうかは……」
「いいのよ、そんなこと気にしなくて。充分よ……。こんなふうに歩み寄ってくれた人、初めてだもの……」
口で手をおおった響さんは、泣きそうになるのを隠していなかった。私もつられて、目に涙がにじみそうになる。
「うれしい。白州さん、本当にありがとう。あたし、好きになったのがあなたで、本当によかったと思う」
「そんなふうに言っていただけて、俺もうれしいです」
「もし、ダメだと思ったらはっきり言ってちょうだいね。そしたらあたし、いい女友達ポジションになれるよう努力するから」
「はは、それは心強い」
くったくなく笑う白州さんと、素のままの響さんを見ていて、感じる。このふたりは、恋愛関係になってもならなくても、きっと一生、いい関係を続けていけると。
そのくらい、ふたりの空気は違和感なくなじんでいた。気心知れた親友同士にも、恋人一歩手前の男女にも、どちらともとれるように。
「ねえ、これからうちのバーで飲まない? 今日は臨時定休日にしてあるんだけど、特別に開けるから」
「いいんですか? 自分の器がバーで使われているところ、見ておきたかったんです」
「じゃあ、さっそく行きましょ。一心ちゃん、ごちそうさま。おむすび、お会計お願い」
「は、はい」