えっ?柔道整復師……?
またまた知らない単語が出てきた。
 それってじゅうどう……えっと何だっけ?
凄いのだろうけど、どう凄いのかが分からない。

「それって、どんな資格なんですか?」

「柔道整復師は…… 柔道整復術(じゅうどうせいふくじゅつ)の柔術に含まれる活法の技術を応用して、骨など……」

ゲッ……!!

「す、すみません。
もう分かりましたので……ありがとうございます」

 慌ててそれを阻止する。
課長のことだ。このまま説明を聞いていたら日が暮れそうだ。
 そうでもなくても説教が長いのに……。

「なっ!?質問をしたのなら、最後まで説明をさせろ」

……説明したいんかい!?

「いえ、結構です。どちらにしても聞いた所で意味が分からないので」

「はぁっ?聞いても分からないのは、お前が聞く気がないからだろ?
 少しは、努力をして覚えようとしてみろ」

「なっ!?無茶を言わないで下さいよ。
 私は、課長と違ってマッサージとか分からない素人なんですよ!
 努力だって、一応参考書を買って勉強しましたし」

 ムッとして起き上がると言い返してしまう。
しかしすぐにハッとする。
 あっ!?しまった……つい言い返してしまった。
ヤバい……怒鳴られてしまう!!

「ほう……?宮下にしたらいい度胸だな。
俺に歯向かおうとしているのか……?」

 私をギロッと睨みつけられる。
ひぃぃっ……!!
蛇に睨まれた蛙のように恐怖で固まった。

「す、すみません。失言でした!!」