あ、そうか。我が家だとそうなるか。
Aランクは、条件がいいイケメンばかりだわ。
でも違う、違う。そうじゃなくて……。
「違う、違う。外の人達のことよ!
世の中とかでさ……よくイケメンに騙されたとかあるじゃない?」
慌ててあなた達じゃないと否定する。
桜葉君は、するとうーんと言いながら考え込んだ。
「うーん。中には、そうやって女性を騙す人は、確かに居ますからね。
でも、それはイケメンだけではありませんし。
それに僕の友人にも居ますがイケメンなのに内向的で彼女が居ない人とか居ますよ?
なので決めつけで判断されるといい気がしませんね」
桜葉君は、そう言ってきた。
そうよね。決めつけで言われたら誰だっていい気がしないわよね。やっぱり……。
改めて偏見は良くないと思った。
「まぁ、菜々子さんみたいに人を見る目がある方は、自然で判断出来るんじゃないですか?
僕は、菜々子さんの見る目は、確かだと思っていますし信頼してますから」
ニコッと微笑んでそう言ってくれた。桜葉君……。
心臓がキュンと高鳴った。
さすがAランクのイケメン君だわ。
女性の扱い方に慣れている……。
そ、そうよね。私は、誰よりもイケメンを愛し、イケメンを見ることで目を鍛え上げてきたわ!
今まで、その目でお店のイケメン達を育て上げたじゃない。
安西さんが心も本物のイケメンなのか、私が確認して判断するしかないわ!!
それで、もし騙されたとしてもそれは自己責任。
ちゃんと見極めなくちゃあ!!
「ありがとう。何だかスッキリしたわ」
「よく分かりませんが、力になれて光栄です」
そして身を引き締めて仕事が終わると安西さんと待ち合わせをしている駅に向かった。
美希には、あの後にお礼と決断したことを連絡しておいた。
大丈夫?と心配されたが、気をつけるからと伝えた。
駅に着くと手鏡でメイクと身だしなみをチェックする。
すると少し遅れて安西さんが現れた。
「お待たせしてすみません」
あぁ、眩しいぐらいにイケメンだわ。
おっと……いけない。チェック、チェック。