「当たり前だ。本格的のワインを追究して楽しむために取ったに決まってるだろ」

 そうアッサリと凄い事を言ってくる課長だった。
 いやいや、本格的って……。
だから一体何を目指しているんですか!?

「ワイン……好きなんですね?」

「あぁ、ワインだけじゃなくても酒なら、どれも好きだな」

 確かに……お酒が強い印象はあった。
宴会の時も顔色一つ変えなかったし。
 むしろ強過ぎて周りが弱いと呆れていたっけ?
そうしたら司会のアナウンスが流れてきた。

「それでは、いろんな種類のワインをご用意致しました。
皆様。お好きなワインを飲み交遊関係を深めて下さい」

「ワインを取ってくる。
宮下は、何の種類のワインがいいんだ?」

「あ、お任せします」

司会者の言葉が終わると課長は、すぐに私に聞いてきた。
実際ワインの事は、詳しくないので任せた。
 何の種類と言われても定番な物しか分からないし、そこまで興味もない。
 ただ飲みやすいのを飲むぐらいだ。

「なら、そこで待っていろ。取って来るから」

 課長は、そういうと向こうに行ってしまった。
私は、待ちながらハァッ……とため息を吐いた。
 あんなに不機嫌になっていたから、てっきり今日も機嫌が悪いものだと思っていたら元に戻っていた。

 どうして?仕切り直しだから?
やっぱり課長の方が私を振り回していると思う。
 意味が分からない。でも、このままだといけないと思う。
 私達は、婚活に来たのに、これだとただ2人で習い事に来ているようなものだ。するとその時だった。

「あの……今1人ですか?」

 えっ?と振り返ると凄いイケメンが目の前に現れた。
か、カッコイイ……!!
 まさか、こんな場所でイケメンに出会えるなんてありがとうございます!