叔父さん!?えっ?まさか……確定?

「その人って不知火誠とかって名前?
一見顔が怖くて、会社で課長とかやってる感じな」

「はい。そうです。あれ?菜々子さん……誠叔父さんのこと知っているんですか?」

 笑顔で答える裕太君だった。う、嘘っ!?
世の中は、広いようで狭いと言うけど……まさか。
 こんなにも近くで課長の親戚に会うなんて……。

 爽やかイケメンの裕太君があの顔も性格も怖い課長の甥っ子なの!?
 信じられない……どうしたらこうも違うのだろうか。
恐るべしDNA……。

「その叔父さん……私が前に働いていた会社の上司だったの」

 出来たら部下だった事はなかったことにしたい。
今、気まずい雰囲気だし……。
 しかし裕太君は、驚きながらも嬉しそうな表情をしてきた。

「えっ?そうだったんですか!?
凄い偶然ですねぇ~誠叔父さんの部下だったなんて」

本当に……最悪で仕方がないわ。

「裕太君も大変でしょ?
あんな怖い叔父さんが居て。怒られたりしてない?」

 きっと、可愛い甥っ子でも厳しく接しているはずだ。
課長って誰に対しても妥協とかしなさそうだもの。
 泣かされたんでしように……可哀想に。

「えっ?そうですか?確かに厳しいこともありますけど……それは、俺が悪いことした時だし。
 普段は、面倒見が良くて優しいですよ?
俺小さい頃から誠叔父さんにいろんな事や勉強を教えてもらったりしてました」

 爽やかに驚きながらそう言ってきたので、こちらも驚いた。
えぇっ?あの課長が……!?
 厳しくて、顔も怖くて妥協すらしない。あの完璧主義の課長が!?

「し、信じられない。鬼課長と言われていたのに…」

「アハハッ…鬼課長とは、また凄いですね。
俺は、誠叔父さんのことすげぇ尊敬していますよ?」