居たらすぐにでも結婚して欲しい。
無理でも私のお店で働いてくれないかしら?
それいいわね……そんなイケメンを眺められるなら結婚出来なくても悪くないわ。
「あんたねぇ~!?いいから行って来なさい!
行かなかったら、しばらく米や食料を送ってあげないわよ」
母が凄い剣幕で怒ってきた。
ゲッ!!そ、それは……無くなると困る。
節約している私にとっては食料や米を無くなるは、避けたいところだ。
「わ、分かったわよ……」
仕方がない、行くだけ行ってみるか。
私は、渋々婚活パーティーに行く事にした。
しかし、まさかそこであの人に再会するとは、夢にも思わなかったが……。
数日後。その婚活パーティーをやっている会場に向かった。
えっと……この会場でいいのよね?
こういうパーティーって大体は、中年男性やモテない何かがある人が多いのよね。
勝手な偏見で私は、行く気を無くしていた。
そういう私もその1人なんだけどさ……。
イケメンが、こんな場所に来ないだろう。
モテモテの人生なら、選び放題だろうし……。
ハァッ……と深いため息を吐いた。
仕方がなくぼんやりとワインを貰い飲んでいた。
すると1人の男性が私に声をかけてきた。
「あの……すみません」
あら、ボイスだけならイケメンじゃない!?
心地のいい低い声だ。でも、この声……何処かで聞いた事があるような……?
振り返るとその声の主に唖然とする。
「やっぱり宮下だったか」
「し、不知火課長!?」
ど、どうして課長がここに居るのよ!?
この人は、前に働いていた会社の上司だ。
不知火課長。しかし私は、この人が苦手だった。
「久しぶりだな。退職して以来か?
てっきり寿退社をしたのかと思っていたが……?」
ギクッと肩が震えた。実は、辞める時に一身上の都合で辞めた。
年齢もあったから寿退社だと思った人も多いだろう。
私も深く突っ込まれたくないから詳しく事情を話さないまま辞めたし……。
「あの……すみません」