「うむ。これは……旨いな。
特にホワイトソースが上手く出来ている」
珍しく声を出して褒めてくれた。
課長は、ほとんど私のサポート役をしていたから味付けは、私が担当した。
だから我がお店の味を試食したことになる。
褒められた……課長に。私は、驚いてしまった。
「あ、ありがとう……ございます」
「宮下に、これほど料理のセンスがあるとは……意外だった。
なるほど。お店を出したいと言うのも頷ける」
こんなに褒められたの初めてかも……。
基本怒る所しか知らない私にとって驚く事だった。
へぇ~褒めるんだ?
あれ?ちょっとドキドキしている。
おかしいわね?イケメンしかドキドキしないはずなのに。しかし……。
「これは、素晴らしい出来栄えですね。
僕にも一口いいですか?」
杉本先生が声をかけてきた。
キャッー杉本先生!!
教えてもらえなかったけど私の作ったのを一口食べたいと言って下さった。
「は、はい。どうぞ、好きなだけ」
私は、慌てて自分のを差し出した。
杉本先生は、自分の持っていたスプーンを使い一口食べた。
「うん。これは、旨い。自分の作るのよりも旨いですよ!
宮下さんは、料理のセンスがあるんですね。
こんな人がお嫁さんだったら旦那さんになる人が羨ましいですね」
ニコッと笑顔で褒めてくれた。
キャッー褒められた!!
しかも旦那さんになる人が羨ましいとか言われちゃった。
いえ、むしろ先生のお嫁さんにしてください♡
私は、飛び跳ねるぐらいに喜んだ。
これよ……これ。このイケメンを見たり褒められて飛び跳ねたいぐらいの喜びこそ本来の私よ!
女性なら持ち合わせてる胸キュンなのよ!!
すると横から舌打ちを聞こえてきた。
うん?今なんか舌打ちされたような……?
恐る恐る横を振り返ると、もの凄い目付きで睨んでいる不知火課長と目が合った。えっ……何で?
しかもプイッとそっぽを向くと自分のハンバーググラタンを食べ出していた。
な、何なのよ……?もう、意味が分からない。
結局そのまま片付けをして料理教室が終了する。