やっぱり妊娠だった。
私のお腹に課長との子供が居るんだ。
 改めて妊娠だと分かると何とも言えない気持ちになった。

「それだけではありませんよ。これを見て下さい」

 そう言うとイケメン医師は、エコーの写真を見せてくれた。
 うん?何やら2つの形が見えた。
これが赤ちゃんなんだ。えっ?2つ……?

「これは、双子ですよ。分かりますか?」

 まさかの言葉に私は、唖然とする。えっ双子!?
私のお腹に……2つの命が宿っているなんて……。
 まさかの双子に自分でもどうしたらいいか戸惑ってしまった。

「あ、ありがとうございます。頑張って産みます」

 ワケが分からずお礼を言ってしまった。

「アハハッ……そうですね。頑張って産みましょう。
僕も精一杯協力をしますので」

 イケメン医師は、クスクスと笑いながらそう言ってくれた。
 笑った顔も知的で素敵だわ……じゃなかった。
この事を課長にも話さなくちゃあ!!

 私は、診察が終わると受付でお金を払う。
そして買い物を済ませて急いで自宅に帰った。
 自宅に帰るとリビングにあるソファーに座り、すぐに課長にメールをした。
 本当は、電話にしたかったのだけど仕事中だし、遠慮してメールにする。

『お仕事お疲れ様です。今日何時に帰れますか?
 今日体調が悪くて早退して病院に行ってきました。
検査結果は、帰ったら報告します』と……。

 これでいいかな?フフッ……課長どんな反応するかしら?
 ちょっと驚かしちゃえ。
クスクスと笑いながらお腹を撫でた。

 予定日は、来年の3月だと言っていたわ。
早く会いたい。どんな子かしら?
 課長との子供だと考えると不思議で、より愛しいと思った。
 さて、夕食を作らなくちゃあ!!
私は、そう思うとソファーから立ち上がった。
 今日は、ご馳走にしょう……そう思いながら。

 だが、しかし。途中で気持ち悪くなってしまい、ご馳走にするはずが、冷や麦になってしまった。 
 本当は、ご馳走してお祝いしたかったのに……。
胃がムカムカして匂いを嗅ぐだけでも吐きそうになる。
 これが、世で言うつわりだと言うのだからお母さんは、大変だ……。