「キャアッ!?」
ドサッと派手に転んでしまった。
い、痛い……。
や、やってしまった。気をつけていたのに緊張のあまり躓くなんて……。
「宮下。お前は、どうしてこうも落ち着きがないんだ!?」
「ひぃぃっ!?す、すみません」
教会に響きわたる課長の怒鳴り声。
結婚しても私達の関係は、鬼課長とイケメン好きの部下のままなのだろう。
「あぁ、相変わらずねぇ~あの2人は」
「本当ね。まぁ2人らしいけど……」
それを聞いていた美希と真美子は、呆れながらも苦笑いしていた。
その後の披露宴もとても賑やかだった。
これもまたいい思い出になるのだろう……。
そして結婚が無事に終わり数ヵ月が過ぎようとした頃。私にある異変が起きた。
事務で仕事をしていたら、何だか吐き気がして慌ててお手洗いに駆け込んだ。
少し吐いてもまだ胃がムカムカする。
私ったら何か変なものでも食べたのかしら?
不思議に思いながら胸の辺りを擦っていたら、ある事に気づいた。
あれ……?私って最近いつ生理になったのだろうか?
慌てて数えてみる。
確かこの前のは……3ヶ月前だったはず。
えっ、そんな前なの?だとすると……ま、まさか!?
赤ちゃんがデキちゃった!!
いや。まだ断言するには、早いわよ。
もし間違えて課長に報告してしまったら、後で大変な目に遭う。
それだけは、避けないと……。
と、とにかく病院に行って確かめよう。
私は、焦る気持ちを必死に落ち着かせてトイレから出た。
そうしたら私の異変に気づいた大宮君と桜葉君が気にかけてくれた。
「菜々子さん。大丈夫ですか?」
「顔色が悪いみたいだけど……大丈夫か?」
まぁ、なんて優しいイケメン達なの。