その後もいくつか見学をさせてもらった。
どれも良かったと思ったので改めてここの式場に申し込むことにした。
「ご検討して下さりありがとうございます。
日にちは、どう致しましょうか?」
「うむ。そうだなぁ~会社や招待客の都合もあるし」
「大安や休みを狙うのなら早めに日にちを決めたほうがいいと思いますよ。
ご予約なさるお客様も多いですし」
「確かこの辺りには、仕事が片付くはずだ。
大安で日曜だし、ここにするぞ!宮下」
課長は、木下さんの意見を聞くと
何故たが私の意見を聞かずに日にちだけ強引に決めてしまう。
ちょっと課長……何そんなに慌てて日にちを決めるんですか!?
「あの……課長」
「分かったな?宮下」
「は、はい」
ギロッと睨まれると何も言えなくなってしまう。
何だか婚活の時と同じ状況になっていた。
課長……?何だか余裕が無いように感じるのは、気のせいだろうか?
そして無事に下見が終わった。
そのまま課長の自宅マンションに戻った。
カタログを貰って来たので、これを見て決めることなる。
「宮下。今度の日曜日に打ち合わせだから忘れないようにしておけよ?
後必要な物は……招待状を書いたり、それから」
課長は、ブツブツとカタログを見ながら考え込んでいた。
相変わらず完璧主義だな……課長。
やるからには、手を抜かず最高の結婚式にする気だろう。それは、それで嬉しいのだが……。
「課長……何でそんなに慌てて決めているんですか?」
今なら少しずつだが、疑問に思う事を素直に聞けるようになってきた。