上を見れば、木目の板を使った天井。ぼんぼりに似た形の照明がぼんやりと部屋を照らしている。
そして。
後ろを振り返り、ビックリして跳び起きた。いつの間にか開いていた障子の隙間から、二人の男のひとが部屋をのぞきこんでいた。
そのひとりに、思わず視線を奪われた。
白い肌に、銀色の髪。藍鼠色の着物を着ている彼の黄金の瞳と目が合った瞬間、肌がぞくりと粟立った。
なんて綺麗な人なのだろう。まるでこの世のものではないみたい。
すっとした切れ長の目が、私を見下ろす。
「助けてもらって、礼も言えないのか」
低い声が吐き捨てるように言う。
「へ……」
「兄さん、そういう言い方はないですよ」
銀髪の彼の隣に立っていた若い男の人が眉を下げる。どうやら銀髪の人の弟さんらしい。
金茶色の髪に、白い肌。銀髪の彼と同じ金色の瞳。
おそらく二十代前半だろうか。若者らしい普通の服を着ている。
お兄さんの方は二十代後半か。少ししか歳が違わないとは思えないほどのオーラが全身から漂っている。
どんなオーラかと聞かれても、うまく言えないのだけど。威厳とか威圧感に近いのかもしれない。