「どうしたの?」

 私はまるで罪悪感に飲まれ落ちれそうで気持ち悪い。吐き出しそうだ、ずっと向き合えなかった気持ちがその名前と同時に私を襲いかかってきて負けたらもう二度立ち上がれないんじゃないかと思う。
 彼をどう答えたいいのかわからない、今にも倒そうな私は家を帰った方がいいと思った。私が立ち上がった瞬間に引っ張られたかのように重心が崩れた。

 私は微かに支えられた感じがしたがその次の瞬間、私は会って変な空間に閉じ込められた。そして周りが漆黒で手をギリギリ見えるくらいだ。

 よく見ると遠い場所にある人が立ってた。そして私は確信した、その人が清水先生だと。私の目に映ってきたのはあの人が着てる金魚の柄の着物はまるで金魚が泳いでいるかのように躍如としている。
 清水先生から聞いたことがあった、どうやらそれは清水先生の母から頂いた大切なものらしい。私も一度か二度くらいしか見たことがないけれどその金魚の柄の着物はとても美しいだったから印象に残った。

 そして清水先生はもうこの世を去ったのに今更現れるなんで。しかもここでは全く現実感がないのにどうにも出れる気がしない。
 けど今は焦っていてもしょうがないと思いつつもさっきまで何をやって思い出せない。まるでさっきの記憶が消されたように真っ新だ。

 今の私は清水先生に近づくべきすらわからない、私を会いたくかもしれない。何故なら私は彼女の命を奪った。清水先生は私を救ってくれたのに。

 ここに居ると自分が呑み込まれそうで一旦清水先生と思いつつも私は逆の方向に進んでみようと動き出したら、黒い霧に包められたかのように全く先が見えない。遠いところにボンヤリと光に呼ばれたかのようにあの光を目指してみるとやっと黒い霧から出れると思った。
 私は一生懸命走った、ただあの光に吸引されたままに進んだ。そしてその光は小さな点からはっきりと人となった。そしてまたしても清水先生だった、唯一違ったのは髪を結びあげたと袴に着かえた。

 真っ直ぐ反対に歩き進めたのにまた会ってまた二人にしかいない世界だ。

 それでも私はあきらめずにまたしても違い場所に走り霧の中に戻った。今度はいきなり背後から眩しい青い光が差し込んで霧を退治した。でもそれは又にしても清水先生だった、そしてまた服が変わっている。

 あれから私は走り回った、あらゆる方向に進んだ結果は清水先生にしか出会わない。不思議なことに清水先生の表情は一切見えない、光がまるで邪魔しているみたいに清水先生の顔を隠した。

 もうどうしようもなく、私は進むことを決意した。