「じゃ学校のほうには俺が話してしておくけど、いつ来られそう?夜桜さんの好きな時でいいから。」

 彼女にやっと少し元気が戻ったことで、俺も何だか嬉しく思えた。彼女はいつも一喜一憂するからよくわからない時が多い。だけど彼女がなんの隠しもなく素直に言ってくれたことに対して嬉しく思う。

 俺は少しな登り道の右側を沿って歩いながらこんな事を考えていて、いつの間にか家に着いていた。マンションの二階上がって、鍵を手に取った。
 扉を開くと、一番前で右側のリビングに入った。リビングの後ろ側まで何歩か歩いて冷蔵庫を開けた。昨日食べきれなかった色とりどりのチャハンを電子レンジに入れて、前に立ったまま数分待った。

 食べた後、俺はキッチンと繋がっている方の扉から出た。お風呂に入ったりした後に真っ直ぐ一番後ろにある部屋に入った。

 俺は黒いリュックを椅子の上から取った。もう夏休みがやって来るから、リュックを出来るだけ空っぽにしたいと思いほとんどの物を取りだした。色々済ませた後俺は少しストレッチをして、電気を消してベットに上がった。


「ビビビビ」

 目が覚めると目覚ましを止めた。いつも通りの太陽の差しが優しく部屋を包んでいるみたいだ。そして俺は着替えた後に朝ごはんを作って、そしてリュックを背負い、出かけた。
 今日はもう今学期最後の日だから頑張っていくしかない。俺は歩道に沿って進んだ。学校に行く途中に大きいな花屋さんがあって、通る度にいい匂いで俺の一日の元気を添ってくれる。そしてその先には何故か俺だけに懐いている一匹の三毛猫があって、毎度俺の足にすり寄って来てとても可愛い。

 十数分で学校に着いた。学校に入った直ぐに目を奪いほど美しいビルがあって、何度見ても飽きないし何度も見てしまう。その後ろに俺の教室がある校舎が居て、中で靴を履き替えた。そして左側にある階段を三階に上って、目の前にあるのが俺の教室だ。
 この頃にみんなはもうほとんど着いていと硝子からはっきりと見えた。

「おはよう。」

 教室のドアが開いたら、翔悟の声が聞こえた。彼はとてつもなくいい奴でよく騙されるから、俺はあいつを助けることが多い。
 かなりのお人好しだからな。

「おはよう、秦くん。」

 右側の一番後ろの席に着いたらクラスの女子に声をかけられて、俺もそれに返事をした。体育館で終業式があるから、翔悟と隣に歩いて一緒に行った。

 体育館に行って校長先生と教頭先生とかの話が終わり、クラスに戻ると通知表をもらった。ついに夏休みが始まる。
翔悟と別れた後、俺は教室に居残って先生に夜桜さんのことを話した。

「先生、夜桜さんのことなんだけど、来るって言ってましたよ。」
「え、本当に?音瀬に頼んで正解だったな。」
「先生は夜桜さんの噂を知らないんですか?怖くないんですか?」

 俺は単に先生に知らせたいんじゃない。普通なら怯えて接触したくないはずだ。俺はこの先生が今後俺たちの助力になるかそれとも抗力になるかを確かめたいんだ。

「もちろん知っているよ。けど私にとって彼女も一人の生徒、噂よりは自分で確かめたいからね。それに怖いなんて思ってないよ。会ってないのにその人のことが分かるわけないんだからね。」
「そうですね。」

 先生は俺の想像よりずっとましな人だった。同時に、この人は頼れる人だと確信した。