それから大変だった。
辺りに幼児の親が居ないかを一応探しはしたが、全く見当たらない。
というか、そもそもこの子はこの地域の種族ではなさそうだった。
ここらの人間は髪の色は黒から茶色くらいのダークトーン系で、瞳の色も似たような感じ。
稀に明るい色の人もいるが、それでもライトブラウン色くらい。
それに肌は白色系がほとんどだ。
だがこの子は、髪の色はブルーグレーで肌の色は浅黒い。
しかも目が金色をしている。
そんな人間見たことがないのだが…。
「村に帰って、村長にでも聞いてみるか」
分からないことは考えてもしょうがない。
さっきのガルーダの荷物が子供用のものばかりなのは偶然なんだろうか?
とりあえず使えるものは使おう。
「キッドは、ガルーダの死体を咥えてきてくれ。重いだろうけど頼んだぞ?」
折角の肉をここで腐らせたり他の動物の食べられてしまうのは勿体ない。
なのでここはキッドに頑張ってもらう。
俺はガルーダの荷物と幼児を抱え、さらに持ってきた自分の荷物も背負いながらなんとか自分の家まで帰ってくるのだった。
「くはーっ、疲れたっ!さて、まずはこの子を綺麗にしてやらんとだな…」
自分の子供を育てたことは無いが、狭い村なので人の子供を預かったり、親戚の子を面倒をみたりとか当たり前にやってきているので、そんなに困ることはないが、着替えやら食べ物やらをみんな一緒に置いていってくれるので、何もない状態からはさすがに経験がない。
着替えは…、うんさっきの荷物にありそうだな。
あとは飯か…。
見た感じ2歳くらいの子なので、蒸かした芋や潰した麦粥なら普通に食べれるだろうし、乳牛はいないが羊ならいるので羊ミルクを温めて飲ませればいいか。
そう考えながらも、大きな桶を用意して風呂の準備をする。
と言っても入るのはこの子だけだが。
どのくらいあそこにいたのか分からないが、結構なお粗相をしているので今履いている下着はダメだろう。雑菌が湧いてもあれなので焼却炉に突っ込んでおく。
ちなみにこの子は、アレがついていないので女の子のようだな。
抱っこしながら連れてきたら、家に着いた時にはもう寝ていた。
呑気というか図太いというか…。
まぁ、わんわん泣かれるよりはマシか。
大人しく寝ている間に湯あみを済ませて体を綺麗にし着替えさせたあと、ひとまず布タオルで簡易ベッド作って寝かせておく。
キッドは自分で水浴びして血のりを落としてくれていたので、少女を見ておくように指示を出した。
ウォン!と返事をすると少女の隣で丸くなっていた。
本当に賢い相棒で助かる。
キッドが見張っててくれている間に、ガルーダの羽を毟り取ってから内臓を抜き木にぶら下げて血抜きをする。
血も売れるので、下に金属のボウルを置いておく。
抜いた内臓は処理が大変なので森の中に投げておくことにした。
そのうち野犬どもが処理してくれるだろう。
ガルーダの処理がいったん終わったので、部屋に戻ってきた。
余程疲れているのか少女は起きないようだ。
この歳なら一日の半分以上は寝ていても普通なので、そっとしておく。
その間に食事の準備をしよう。
お湯は沸かしてあるので、それで芋を蒸かしおく。
それとは別に鍋で麦を煮て麦粥を作っておく。
そこに羊のミルクとバターを入れて完成。
卵は流石に高級品だから使えないけど、まあこれだけで十分かな。
しばらく食べてなかったらお腹下したりするし、食べやすいものがいいだろう。
「んうあ…。あ~、ぱーぱ?あ~、わんわん?」
おや、匂いにつられたのか起きたようだな。
こらこらキッドの毛を引っ張るのは止めなさい…。
子供相手だから怒らない、偉いぞキッド。
俺は少女を抱っこして引き離し、今作ったご飯を食べさせるためにテーブルに連れていく。
木のスプーンで掬ってあげて、ふうふう冷ましながら食べさせてあげた。
うんうん、我ながら手慣れたもんだ。
まぁ、この村の人間ならだいたい出来るんだけどね。
ご飯食べ終わったら村長に話しに行こうか。
流石に勝手に子供拾ったとか言ったら、犯罪者扱いにされかねないからな。
ご飯を食べ終わると少女はまたウトウトしだした。
目鼻立ちは整っているし、将来美人になるかもな〜。
って、父親にでもなった気分だな。
まぁ流石に俺が育てることにはならないだろうけどさ。
「ウードよ、お主一人だし丁度よいじゃろう?うちの村の中では比較的余裕あるじゃろうし。町の役人には儂から伝えておくでな」
はい、育てることになりました!
って、まてまて。
俺独身なんだけど?って言ったら、もうお前は結婚は無理じゃろとだってさ!
いや、諦めてたけどね、人には言われたくないんだよなー。
しかし仕様が無いか。
これも縁だし、案外すぐ親が引き取りに来るかもしれないしな!
「んん…ぱーぱ?」
「お、目を覚ましたか?おう!しばらくは俺がお前のパパだそ〜?」
そう言いながら、高い高いをしてあやす俺。
そう言えば名前が無いと不便だな。
あの荷物とかにそういうの無いかな?
ガソゴソ。
…これは違うな、服の店名だ。
ガサゴソ。
…これも違うな、オモチャ工房の名前だ。
ガサゴソ。
…お?これは…魔導書のタイトルか。
………は?
魔導書?!
なんて高価もんが入ってるんだ!!
まぁ、俺は魔法の才能無いから関係ないけど。
…取り敢えず見なかったことにしよう。
あ、メッセージカードあるぞ。
『愛しの クレスへ
誕生日おめでとう!
■▲より』
ん…、誰からかは掠れて読めないな。
クレスか。
うん、かわいい名前だと思う。
この子の名前かどうかは分からないけど、俺が面倒見ている間だ。
使わせてもらおう。
期間限定だけど、その間はしっかりと面倒見ようと思うのだった。
辺りに幼児の親が居ないかを一応探しはしたが、全く見当たらない。
というか、そもそもこの子はこの地域の種族ではなさそうだった。
ここらの人間は髪の色は黒から茶色くらいのダークトーン系で、瞳の色も似たような感じ。
稀に明るい色の人もいるが、それでもライトブラウン色くらい。
それに肌は白色系がほとんどだ。
だがこの子は、髪の色はブルーグレーで肌の色は浅黒い。
しかも目が金色をしている。
そんな人間見たことがないのだが…。
「村に帰って、村長にでも聞いてみるか」
分からないことは考えてもしょうがない。
さっきのガルーダの荷物が子供用のものばかりなのは偶然なんだろうか?
とりあえず使えるものは使おう。
「キッドは、ガルーダの死体を咥えてきてくれ。重いだろうけど頼んだぞ?」
折角の肉をここで腐らせたり他の動物の食べられてしまうのは勿体ない。
なのでここはキッドに頑張ってもらう。
俺はガルーダの荷物と幼児を抱え、さらに持ってきた自分の荷物も背負いながらなんとか自分の家まで帰ってくるのだった。
「くはーっ、疲れたっ!さて、まずはこの子を綺麗にしてやらんとだな…」
自分の子供を育てたことは無いが、狭い村なので人の子供を預かったり、親戚の子を面倒をみたりとか当たり前にやってきているので、そんなに困ることはないが、着替えやら食べ物やらをみんな一緒に置いていってくれるので、何もない状態からはさすがに経験がない。
着替えは…、うんさっきの荷物にありそうだな。
あとは飯か…。
見た感じ2歳くらいの子なので、蒸かした芋や潰した麦粥なら普通に食べれるだろうし、乳牛はいないが羊ならいるので羊ミルクを温めて飲ませればいいか。
そう考えながらも、大きな桶を用意して風呂の準備をする。
と言っても入るのはこの子だけだが。
どのくらいあそこにいたのか分からないが、結構なお粗相をしているので今履いている下着はダメだろう。雑菌が湧いてもあれなので焼却炉に突っ込んでおく。
ちなみにこの子は、アレがついていないので女の子のようだな。
抱っこしながら連れてきたら、家に着いた時にはもう寝ていた。
呑気というか図太いというか…。
まぁ、わんわん泣かれるよりはマシか。
大人しく寝ている間に湯あみを済ませて体を綺麗にし着替えさせたあと、ひとまず布タオルで簡易ベッド作って寝かせておく。
キッドは自分で水浴びして血のりを落としてくれていたので、少女を見ておくように指示を出した。
ウォン!と返事をすると少女の隣で丸くなっていた。
本当に賢い相棒で助かる。
キッドが見張っててくれている間に、ガルーダの羽を毟り取ってから内臓を抜き木にぶら下げて血抜きをする。
血も売れるので、下に金属のボウルを置いておく。
抜いた内臓は処理が大変なので森の中に投げておくことにした。
そのうち野犬どもが処理してくれるだろう。
ガルーダの処理がいったん終わったので、部屋に戻ってきた。
余程疲れているのか少女は起きないようだ。
この歳なら一日の半分以上は寝ていても普通なので、そっとしておく。
その間に食事の準備をしよう。
お湯は沸かしてあるので、それで芋を蒸かしおく。
それとは別に鍋で麦を煮て麦粥を作っておく。
そこに羊のミルクとバターを入れて完成。
卵は流石に高級品だから使えないけど、まあこれだけで十分かな。
しばらく食べてなかったらお腹下したりするし、食べやすいものがいいだろう。
「んうあ…。あ~、ぱーぱ?あ~、わんわん?」
おや、匂いにつられたのか起きたようだな。
こらこらキッドの毛を引っ張るのは止めなさい…。
子供相手だから怒らない、偉いぞキッド。
俺は少女を抱っこして引き離し、今作ったご飯を食べさせるためにテーブルに連れていく。
木のスプーンで掬ってあげて、ふうふう冷ましながら食べさせてあげた。
うんうん、我ながら手慣れたもんだ。
まぁ、この村の人間ならだいたい出来るんだけどね。
ご飯食べ終わったら村長に話しに行こうか。
流石に勝手に子供拾ったとか言ったら、犯罪者扱いにされかねないからな。
ご飯を食べ終わると少女はまたウトウトしだした。
目鼻立ちは整っているし、将来美人になるかもな〜。
って、父親にでもなった気分だな。
まぁ流石に俺が育てることにはならないだろうけどさ。
「ウードよ、お主一人だし丁度よいじゃろう?うちの村の中では比較的余裕あるじゃろうし。町の役人には儂から伝えておくでな」
はい、育てることになりました!
って、まてまて。
俺独身なんだけど?って言ったら、もうお前は結婚は無理じゃろとだってさ!
いや、諦めてたけどね、人には言われたくないんだよなー。
しかし仕様が無いか。
これも縁だし、案外すぐ親が引き取りに来るかもしれないしな!
「んん…ぱーぱ?」
「お、目を覚ましたか?おう!しばらくは俺がお前のパパだそ〜?」
そう言いながら、高い高いをしてあやす俺。
そう言えば名前が無いと不便だな。
あの荷物とかにそういうの無いかな?
ガソゴソ。
…これは違うな、服の店名だ。
ガサゴソ。
…これも違うな、オモチャ工房の名前だ。
ガサゴソ。
…お?これは…魔導書のタイトルか。
………は?
魔導書?!
なんて高価もんが入ってるんだ!!
まぁ、俺は魔法の才能無いから関係ないけど。
…取り敢えず見なかったことにしよう。
あ、メッセージカードあるぞ。
『愛しの クレスへ
誕生日おめでとう!
■▲より』
ん…、誰からかは掠れて読めないな。
クレスか。
うん、かわいい名前だと思う。
この子の名前かどうかは分からないけど、俺が面倒見ている間だ。
使わせてもらおう。
期間限定だけど、その間はしっかりと面倒見ようと思うのだった。